(株)DCFサービス 酪農コンサルタント 代表 中野です。

IoTならぬIoAとして(株)ファームノート※1が約10年前に畜産・酪農IT革命として発進しました。IoT(internet of things)とは全てのモノとインターネットを繋ぐという意味です。では、IoAとは internet of Animals 全ての動物とインターネットを繋げるという意味です。
今まさにIT革命真っ只中・・その中にあって家畜である動物たちもITとリンクさせようという動きが今加速しているということに気づいた時に読む話し。

※1(株)ファームノート:牛の管理ソフト、従来は手書きで記録(繁殖台帳)をしていたのをアプリでデジタル管理させるというシステム販売会社

最近の酪農家では「搾乳ロボット」という全自動で搾乳をしてくれるロボットが普及し始めています。家族経営規模でも会社経営規模でも、複数台数でも導入される方が爆発的に増えました。2019年から遡ること5年ほど前からです。
IT革命でAIの進化が進み、その波が我ら畜産業界に押し寄せている何よりの結果ですね。

「搾乳ロボット」をあまりご存知ない方のために簡単に説明しますと、24時間全自動で搾乳をしてくれます。平均60頭ほどを1台でまかなえます。(通常60頭の搾乳は2〜3人必要です)更に、牛は妊娠させて分娩させないと母牛から牛乳がでません。よって「発情」を発見して人工授精をしなくてはなりません。その「発情」を機械が発見してくれます。種類によっては、病気・妊娠したかの鑑定などなど様々な牛の状態を機械が報告してくれる機械となっています。

 なので、搾乳ロボットにももちろんAIは使われていてそれが技術の進歩に一役かっています。乳量のでる牛、でない牛、それに機械が学習してそれぞれの牛に合わせて処置をします。正直・・・いいづらいことですがヒトが搾乳するよりロボットで搾乳するほうが「乳房炎※2」になりづらいと言われています。

※2乳房炎:牛の乳房の中で菌などの不衛生なものが入り炎症がおきて、牛乳の衛生度が下がり出荷できなくる病気。原因は様々。

ITの進化によってトラクターなどの作業機もGPS化され操作や正確な作業をより可能としています。まだまだ経験がモノをいう業界ではありますが、徐々に誰でも可能となる時代がすぐそこまで来ています。

酪農・畜産業界ではこうして作業がどんどん簡略化され1人当たりの管理頭数がどんどん増えています。そうして、ファームノートに代表される牛群管理ソフトが10年ほど前か開発されてきました。当時は、経理ソフトとリンクさせたものや個人レベルで作成したもの、webレベルでの管理が一般的でしたが、発情発見器や牛の健康管理とリンクさせた機器とリンクさせたモノが今主流となっています。
当時は、ファームノートのみが市場を席巻していましたが、最近「デザミス」からu-motionという商品がでたり、先日発表された「凸版印刷・ホシデン・日本全薬工業」3社は子牛の健康管理システムを開発するとなっています。ITの参入は遅いだろうと言われている酪農・畜産業界でもどんどん新しい技術が参入してきています。

IT関連技術では参入と淘汰を繰り返します。パソコンを例に持ち出すと…パソコンは最初沢山の会社が参入しましたが、現在ソフトの互換性やOSの問題でメーカーは限られています。
なので、搾乳ロボットや牛郡管理ソフトも後々淘汰され生き残る会社も1社に絞られることでしょう。その会社のシステムが牛群管理ソフトとして、情報システムインフラになるでしょう〜

さて、どのシステムが残るのでしょうか…

あなたの経営の参考になれば…