(株)DCFサービス 酪農コンサルタント 代表中野です。

2018年頃から盛んに言われてきたように感じる「終身雇用の崩壊」。アメリカを始め、多くの先進国と呼ばれる国では、雇用の流動性が叫ばれています。

でも、この「終身雇用の崩壊」がなぜ?起こるのか?を正確に理解できている方が少ないように思います。かく言う僕も、偉い先生や周りが言うから、なんとなーく終身雇用ってもう終わりなのかな〜?くらいの理解しかありませんでした。
それがピタッと当てはまる理解がありました。

それは、僕も何度も言っている「ベテランのモノづくり → データ×AI」への移行です。ベテランのもの作りが価値があるとされている時は、そのベテランに付加価値(利益を生み出す存在)がありました。ベテランは一朝一夕でなれる存在ではありません。他社や他国に簡単に転職や引き抜きにあっては困ります。そこで、そういったベテランが他へ流出しないように、「解雇規制」や「終身雇用」を作ったのです。
車を作るのが上手い職人を守るために、搾乳が上手いベテランを守るために、発情を見つけるのが上手いベテランを守るために、そういったベテランたちを自社内から流出することを防ぐために、終身雇用制度があったのです。

ちょうど一年前くらいでしょうか?トヨタ社長の豊田章男社長が「トヨタでももはや終身雇用が維持するのは困難・・」という発表があった事が報道されました。自動運転がくる世界は、電気自動車の時代。そしてその世界のグローバルスタンダードで争うということはまさしくこの「データ×AI」で戦うという事です。
そこで起きることは「ベテランのモノづくり」を大事にする文化から、これは今までの「成功体験」・・昔はこれで成功した!とか、昔からこうやってきたとか、こういった事はこれから先通用しない・・という事。つまり新しい企業文化「データ×AI」の分野でどう戦うのか?に集約されます。

農業や畜産業というものは決してこの分野と相性が良いとは言い切れない部分もありますが、「後発」になりがち・・これは事実だと思います。だからこそ、先んじてこの「データ×AI」に踏み込めたら、更なる飛躍をしやすいというと思わざるを得ません。

あなたの経営の参考になれば・・・