(株)DCFサービス 酪農コンサルタント 代表中野です。

合成生物学とは・・自ら生物をデザインして生命をゼロから作り上げたり、欲しい機能などを加えていくという新しいアプローチのこと
コンピュータプログラムを作るかの如く、生物のゲノム(DNA)を一から作り上げる技術こそがこれからのバイオテクノロジーでは?と言われている。今回はこの「合成生物学」の今について解説する。

「合成生物学」・・1.コンピュータで生物をデザインする。2.必要なDNAを合成する。3.新しい生物の機能をテストする。
まるで、ソフトを作るかのように生物を作っては試す作っては試すというサイクルを繰り返し、さらにはその速度を上げていく!これが合成生物学だ。
なぜ?今この合成生物学がコンピュータプログラミングと同じように語られるかというと、「読む」「編集する」「書く」という行為がそれぞれそっくりなためだ。

ヒトゲノム=ヒトのDNAの解析は皆さんもご存知ように、1990〜2003年に渡って長い時間をかけて解析された。当時は50億ドル、5,500億円というコストをかけてやられた一大ブロジェクトも今ならなんとたった5.5万円でできてしまうそうです。ムーアの法則と呼ばれる、技術は指数関数的に進化する・・つまりはものすごう速度で進化するという法則に、IT技術以外のバイオテクノロジーの分野にまで浸食している。

このゲノムを読む技術はここまで進化している。さらには「編集する」は皆さんご存知「クリスパーキャス9」。この技術によって安く、早く、正確にゲノムを編集することができるようになりました。さらには「書く」(合成する)に関しては、今やDNA合成会社ができるまでに進化しています。ツイスト・バイオサイエンス、時価総額2,000億円の会社です。同じような会社がたくさん生まれ、この「書く」という行為のコストも下がりきっています。

この「読む」「編集する」「書く」という行為のコストが大きく下がったため、この合成生物学分野のベンチャーはどんどん増えている(いまや600社を超えている)さらには、年間投資額は4,000億円を超えている。さらにはベンチャーキャピタルもどしどし投資している状態。ここにはあのビルゲイツやエリックシュミットなどの名前も上がります。

この合成生物学に関しては、いまだ治療法がない「病気」の治療方法を作ることはもちろん、今まで存在する食品の糖度、香り、を改良した新しい食品を作ったりすることが可能になります。それも低コストで。この合成生物学をよく知らない人は、そんな・・・神の所業では?と恐れたりする人も多そうですが、このような生物の変化は、今まで常に行ってきました。甘い苺、昔は酸っぱかったですよね?練乳つけないと食べれないものでしたよね?このように今まで我々は、その試行錯誤を長い時間をかけていたものを、この技術を使えばより短い時間で可能となる、それだけのことなんですね。

今まで私たちの生活を豊かにしてくれた食品をさらに上回るような、新しい食品、サービスをこの「合成生物学」が見せてくれるのかもしれません。

あなたの経営の参考になれば・・・