(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

トヨタの時価総額は約20兆円。これは日本で1番の時価総額の会社。2位にソフトバンク、キーエンスが続く。その時価総額をはるかに超える約45兆円となっている台湾企業「TSMC」について解説、その上でこの半導体の業界の世界が何となくわかると思います。
TSMCとは、どんな企業なのか?というと半導体メーカーです。パソコンなどのコンピュータというモノに必ず必要な「半導体」これを作っている会社です。半導体メーカーといえば、世界にはアメリカ「インテル」韓国「サムスン」など様々な企業があるが、その中で世界シェア50%以上を占める。なぜ?こんなに半導体のシェアを確保できるのか?

TSMCの決算純利益はなんと「1兆円以上」営業利益率は「35%」これは同じメーカーで世界時価総額No.1のアップルよりも高い(25%)数字です。
なぜ?こんな巨大企業になれたのか?
それは「ファウンドリビジネス」という、(半導体を)自分で設計せず、顧客からの設計データに基づいて製品を作るビジネスモデルのこと。

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このファウンドリの強みは(1)「他社にとってライバルにならない」設計を盗まれるリスクがない→製造専門の会社だから頼みやすい、(2)複数企業と契約することで製造効率を高めることができる。
TSMCが「インテル」に勝っている点は、この自社ブランドを持たず、製造専業という点。他のメーカー企業からしたら間違いなく頼みやすい。
実際に身近なところにもTSMCの商品が使われている。

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こんな巨大企業でも設立当初は、半導体関連は日本企業が席巻していた。当時は、設計と製造を同じ会社が作るという「垂直統合」が主流だった。

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このままでは、日本企業には勝てない・・・ということで、その「垂直統合」という概念を取っ払ってファンドリ企業としてスタート。その後、ファブレス企業(設計のみを行う企業)が続々と誕生。
「クアルコム(Qualcomm)」
「エヌビディア(NVIDIA)」
「メディアテック(MEDIATEK)」
という名前の聞いたことがある企業もあると思います。こういった企業が誕生。

半導体分野で日本が出遅れた形になってしまったのは、「日本企業は半導体の下請けをまともな商売と思っていなかった。これが日本の半導体産業の落伍の原因だ!」とTSMCの元代表は言っている。元々のビジネスとしては技術は存在していたが、その経営方針に間違いがあった・・ということだろう。

僕もこのTSMCという会社を知ることで、複雑な半導体の世界が少しわかったような気がしている。つまり、設計と製造として分けて考えた時に、クアルコムはどんな会社なのか?エヌディビアはどんな会社なのか?インテルはどんな会社なのか?が想像できたと思う。

さらには、この半導体で世界に勝てた日本ということからも、「技術」さえあれば勝てる!というわけじゃないということ。そこには「経営」と「戦略」が必要になるということが改めて理解できる内容だったと思います。