(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

9.11米国同時多発テロを首謀したとされた、オサマ・ビンラディンの捜索にも活躍したと言われている「ビックデータ解析企業」がパランティアだ。パランティアとは「指輪物語」という映画に登場する何でも見通すことができる水晶玉に由来している。このパランティアとはどんな会社なのか?解説する。

今SNSをはじめあらゆる情報が膨大な数、ネット上を飛び交っている。未来のネット三種の神器は「クラウド」「ビックデータ」「IoT」と言われているが、実際にこの武器をどう扱えば良いのか?その武器自体まだまだ足りない「IoT」と比べ、実際に存在する「ビックデータ」だがその解析速度はまだまだ。そうした現状を見据えて、起業されたのがこの「パランティア」だ。

パランティア創始者の1人にピーター・ティールという人物がいる。彼は、あのイーロン・マスクと共に現PayPalを創設した1人、俗にいうペイパルマフィアと呼ばれるその集団のリーダーとも言われていた人物。そのパランティアが創業してから20年経てとうとう2020年9月に上場して、ますます脚光を浴びるようになったというのが今の状態である。

パランティアの顧客先は、政府系と民間系が半分半分という具合。さらには、1件当たりの金額は1億円〜100億円と高額BtoB取引である。そんなパランティアの事業内容はベールに包まれている、が一部公開されたモノをもとに紹介してみると・・

・紛争地域のデジタル参謀
 軍事オペレーションシステム(ゴッサム)や架空ミッションを元にするシュミレーション、あらゆる情報を解析することで得られた情報からのネットワークの追跡などなど

・究極のサプライチェーン
 1つのサプライチェーンにも数千のデータが存在しているためその解析だけでも数年かかる、これをリアルタイムで把握するシステム(ファンドリー)。急に手配必要な部品が出てきて、それを航空輸送する・・・なんて無駄なコストが発生することを抑える

・気候変動と戦う「武器」
 カーボンニュートラルが国家レベルでなく、企業レベルでも求められる今どう対処すべきなのか?を検討するためのシステム。「商品輸送に使っている船のスピードを、どのくらいで航行すると、最もCO2を減らせるのか?」など

・エアバスの「静かな革命」
 「パランティアは航空機メーカーのエアバス社を気づいたら、ソフトウェアメーカーに変身させてしまった」と言われるくらい、パランティアの社員が「データ統合」のインパクトを語る時に必ず引き合いに出される事例がエアバス社。
機体に搭載されているセンシングから、飛行機の振動、温度、高度、エンジンなどのデータを、運行スケジュール、気象データ、飛行経路データと絡めて1つの「プール」に入れることが可能となる。そうなると・・・「例えばあなたがJALだとすると、エアバス社から『あなたのA380機体のある部品が、5週間以内に80%の確率で壊れます』という連絡がくるようになり、予防保全をしてくれる」というようなことが可能となる。

まだまだあるが、割愛するwwこんなふうにとうとう「ビックデータ解析」をメインにするような企業が登場してきたという事実は、知っておいた方が良いだろう。