(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
レジ袋が有料化され、今度はプラスチックスプーンが有料化される。世界的なカーボンニュートラル、脱炭素というテーマによって、環境問題やESG、SDGsなどなど、「地球に優しい」を合言葉にどんどん制度化されていきます。この流れが「正しいのか?正しくないのか?」は今日の議論では置いておいて、その核とも言うべき「ペットボトルリサイクル」の今はどうなっているのか?を調べてみました。
ペットボトルを皆さんは資源ごみとして分別している方も多いと思います。過去、分別されたペットボトルですが、その96%は実はそのまま焼却されていました。元々の原料が石油から作られたポリエステルは、よく燃えることとペットボトルの特性上中に空気が含まれるために、燃やすとよく燃えるのです。(ポリエステルを燃やすと発生するダイオキシンは今やその毒性はほぼないというのはすでに既成の事実です)
リサイクルといえば、リユース(再度利用する)というイメージがありますよね?つまり、ペットボトルを再利用するために、一度溶かしてそこからまたペットボトルを作る技術です。これは技術的には可能ですが・・・実用性はありません。どんなイメージかといえば、卵があったとして一度ゆで卵にしてから、そこから卵料理を作るようなもので、結局もう一度卵を買ってきた方が安いし早い、というわけです。
そこでもう1つの技術がリサイクル。これはペットボトルから別の製品、例えば服やサンダルといったモノを作るというもの。これは、技術的にも可能で実用性もありそうですが、コストが余計にかかるというデメリットがあります。コストがかかるということは、それだけ余計なエネルギーも使うので、環境問題を悪化させるという形になります。
今日本のペットボトル回収率は86%と高くなっています。しかし、そのリサイクルの中身は、<循環社会への貢献が最優先、コスト増加でもリサイクル技術を磨く>という状態です。つまり、焼却(サーマルリサイクル)が1番コストが低くて現実的な方法になっています。もちろん、ボトルtoボトル、というそのまま洗浄して使い回すという方法もありますが、それもコストがネックになっています。
コストがかかってもいいからそれでも地球のためにというのであれば、実はペットボトルに使われている原料は石油の中でも、副産物、つまりゴミから作られているので(石油は精製され各種類に分類して使う)、もはやそれ自体がエコとも言えると僕は思います。さらに燃やして燃料になれば余計にエコなのでは?とも思います。
ペットボトルのリサイクルはまだまだ迷走しそうですね。