(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
もう5年前からずっと言われていること。資源が石油からデータへ変わった。
石油から作られるガソリン、軽油、灯油、グリス、さらにはプラスチック製品などなど、あらゆる分野で石油が使われている。だからこそ石油を扱う企業は、1番の資源は石油だ!と言われていた。それが今やデータになった・・と言われている。データが資源とはどういうことなのか?
EV(電気自動車)が今世界中で注目されている。2035年までにガソリン車の販売を規制するとまで言い出して、世界中の自動車メーカーが今EVにシフトしている。これは、ガソリンなどによるCO2排出を抑えることが目的のように思っている人が多いのだが、本当の目的はそんなことではない。車のスマホ化が本当の目的。車のスマホ化とはなんのことなのか?
iPhoneが日本に入ってきたのは2008年。当時スマートホンといえば、iphoneだった。スティーブ・ジョブズが作ったiphoneは、当時世界中で爆発的に売れた。それまで日本ではガラケーと呼ばれる、2つ折りの携帯電話だったわけだが、そのガラケーとスマホの大きな違いは、アプリ機能である。アプリとはソフトであり、分かりやすく言うと、ファミコンのカセットのようなものである。つまり、ガラケーは新しい機能が出てくると、一度携帯電話を買い替えないといけないのに対して、スマホは新しいアプリをインストール、ダウンロードするだけですぐに使える。
これが当時画期的だった。つまり、スマホはファミコンの本体であり、もはや手のひらに乗るパソコンだったわけだ。
これと同じことが車にも起きる。アイサイトなどの自動運転機能が付いた車を買わなくては新しい機能が使えなかったのが、乗らないうちにアップデートされ次の日には新しい機能が使えるようになっている。自動運転が新しくなったり、縦列駐車の自動オプションが付いたり、駐車場から店まで迎えにくる機能が付いたり、カーナビのマップはもちろん自動で更新される。まだまだ追加機能の例はあるが・・
これら新機能は全て、ユーザーの生の声、行動、検索などの個々のデータから吸い上げたものである。そのデータから、今何が最適なのか?を割り出すものである。
さてさて、これからが本題。今、搾乳ロボットでLely社が管理画面のアップデートをして有料化に踏み切るという話しがある。これも全て、世界中の搾乳牛のデータからソリューション(解答)を導くものなのであろう。その時、搾乳ロボットのデータをどの会社が1番持っているのか?シェアはどこが高いのか?が重要になる。
なぜなら、検索エンジンはどこか1番優れているのか?もちろんGoogleである、と同じ理由だからである。これから先、酪農の分野でもデータを集めたものが勝つ!という時代が必ずくる。その時の選択を間違えないように、我々には勉強が必要なのである。