㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

医療MaaS「医師の乗らない移動式診療所」が地方では一部実験的に稼働しているらしい。過疎が進む田舎では、月に1度の通院に関しても、移動手段を持たない老人が増え、病院へのタクシーやバスも負担となっているためだ。

モビリティ(交通、輸送)に関する新しい試みの1つ、移動式診療所が実はもう実験的に稼働しているらしい。患者は、家の前で改造されたハイエースの中で、医師と遠隔でオンラインで、診療を受ける。ここでもテックが進化しており、聴診器も遠隔仕様になっていて、医師が直接聞けるタイプへと調整されている。

これは伊那市がMONET Technologies、フィリップス・ジャパンとの協業で行うヘルスケアモビリティの運用事業で、医療機器を搭載した移動診療車「INAヘルスモビリティ」を活用し、同地域での医師不足などの課題を解決していく予定とのこと。

この移動式の診療所、このクルマを作っているのがあのトヨタだ。トヨタにはこういった特殊な車体に改造する会社が別にあって、そこでは現場のニーズに合わせてカスタムすることができる。保冷車などの特殊車両を製造している。

医師がこういった過疎地域で患者1件1件回るにはとても人数やお金が足りない。そこで、オンライン診療と合わせることで、低コストでこれから増えるであろう高齢者に対応できるように模索している段階だ。このINAヘルスモビリティには、心電図モニター、血糖値や血圧の測定器、脈拍数と動脈血液の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターなどの医療機器や、AEDが搭載されている。

この実験が成功し、全国の過疎地域で末端まで医療が受けられるようになればと思う。