㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

日曜日の初耳学という番組でマーケティングコンサルの森岡さんと林修先生が対談していた内容の中で

定数は変えられない・・というお話しがあります。
この定数とは、数学用語で定まった数字とあります。これはどう足掻いても、変えることができないメタファーなのわけですが、実際にはどういった事でしょうか?

実際の生活の上で、定数は沢山あります。例えば、モノを買うのにお金が必要であることや、働いたら税金を納めないといけない、とか、大学受験の受験科目は大学側から決められている、とか。どうしても避けようとしても避けようのないモノが沢山存在します。
ところが、この定数と、変更可能な数字「変数」との境界が曖昧な事象も数多くあります。

一見すると、変数のように思えますが、これには、自分が今ある地位とも関係しており、あるヒトには変更可能だけど、あるヒトには変更不可能という、ことも存在します。会社の経営方針を変えるとした場合、従業員では変えることはできません→定数であり、経営者なら変えることができる→変数でもある。これが余計にややこしくしている場合もあります。

さて、今日のブログで言いたかったことは・・・
今起きている牛乳余乳の問題、また、乳製品の過剰在庫の問題、に関して、これは定数でしょうか?変数でしょうか?これに関して、酪農関連のスレッドでは、やれ政府の支援が足りないとか、農水省の圧力が足りないとか、または無料でも良いから配ればいい・・というような乱暴な意見までありますが、これらは全て「定数」です。変えることのできない数字です。

なぜか?それは、市場の流れを変えられるのかどうか?市場の流れを変える、株価を意図的に操作するくらい不可能なことです。さらに、北海道の生乳指定団体であるホクレンにそこまでの資金力も存在しません。ホクレンですら、売上1兆円を超えますが、その利益額はわずか80億円ほど、これは利益率0.8%以下ということです。これでは、思い切った投資なんてできるはずもありません。
こんな定数に頭を使うヒマがあるなら、「変数」を変える方がよっぽど効率的だと思います。