㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営の1つの目的が「経営の維持」にあるのなら、それはキャッシュを増やしていく経営とも言える。

利益を求める経営とキャッシュを増やす経営の違いに関して、明確に違うと言える。多くの勘違い経営者は、利益を増やせば経営はなんとかなると思っている。そして、利益を増やすためには、利益 = 売上 ー 経費となるために、「経費」を減らさないと利益が増えない・・よって経営がうまくいかない・・と考える。

では、実際に「経費を減らす行動」では、例えば、初期コストを抑える・・とか考えるのである。自分だけ安くモノを買えないだろうか?とか、業者にとってメリットのない無理強い(サービス)を強要したり、仕入れ値を下げるために脅迫するのである・・・こういった事を「経営努力」だと勘違いしている。
もしも、本当に経費を下げるだけで儲かる、経営を維持することが可能であるのならば、誰か1人でも「自分はコスト削減で儲かった」と自慢するヒトがいないのであろうか?誰でも思いつくような単純な発想で、経営がうまくいくのなら、誰も苦労なんてしない・・月20万円の給料でスペシャル優秀な人材が採用できるなら、誰もヒトで苦労しない・・一緒だと思う。

利益が発生して、そこで税金を支払い、その後残った資金が、実際には次の「キャッシュフロー」に変わっていく。これが、キャッシュフローを増やす1つの方法ではある。でも、キャッシュフローを増やす経営はそれだけじゃない。自分の経営のトータル資産をどれだけ増やせるのか、それを現金化することでキャッシュを増やす方法もあるし、投入するリソース(飼料や資材)の在庫の問題。それは本当に必要なモノなのか・・見栄や欲だけで決めていないだろうか・・ということ。
さらには、利益が出たからといって、キャッシュが潤沢にあるからといって、私的な無駄使いをしていないか、それが自分の経営に果たしてプラスになるようなお金の使い方と言えるのか・・という考えが、キャッシュを増やす経営であると思う。

キャッシュフローを増やす経営の最大の矛盾が、何か挑戦している経営ほどキャッシュフローが足りなくなるということである。それは、売上が増えれば増えるほど、経費の絶対的金額が増えるため必要な運転資金が増える・・ということ、さらには、投資をすればするほど、キャッシュフローの確保が難しくなる。
逆に言えば、何も挑戦していない経営ほどもしかしたらキャッシュフローに余裕があるのかもしれない。一方でその経営ではすでに次の資産を産めない状態かもしれない。

僕は、チャレンジしながら、キャッシュフローを増やす経営を目指す経営者を応援している。