㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
経営とは、臆病でなくてはいけない
世間一般からすると、経営者は豪快で威勢のいいイメージが大半だと思う・・が、良い経営者とは、臆病、傍から見れば心配性っと思われるほどの小心さがなくては、ビジネスの荒波を乗り切ることができない。
わずかなリスクでも察知して、予防策を講じ、細心の準備をする。これが良い経営者である。
最近特に思うのだが、酪農経営のよいところは、牛が顧客である・・ということだと思っている。牛は、嘘をつかない、不満があれば乳量が下がるし、繁殖が悪くなる、それを改善してやれば、その見返りとして、売り上げを上げてくれる。
その点、ヒトは、必ず嘘をつく、同じ話しでも少しずつ盛られて、最後は全然違う話しになっているケースも多々ある。思考がある分、それを加味して聞かなくてはならない・・これがある。
今回の、コロナ・ウクライナ対策の融資(セーフティネット)があったとき、何人かのコンサル先は、最初「今は必要ない」という判断だった。ところが、詳しく話しをしていけば、今は必要なくても、将来的に2〜3年後には必要になるし、現状のキャッシュフローが安定するプラスを考えれば・・・という、結論に必ずなる。全員がそうなった。
この「慢心・驕り」が、僕は心配する本当の酪農危機である・・と思っている。
今の酪農不況を乗り切れる自分はすごい・・・ではない。生き残れているのは『たまたま』である。不況や危機が重なり、連続で来ていれば耐え切れないはずである。むしろ、今の問題点、失敗点、課題を炙り出し、次の不況に備えて、どう準備をしていくのか?を考えるべきである。
他者と比べて、自分はすごいと思っている時間はないのだ。
経営を潰すことと、経営を生き残らせること、どちらが大変な難しいことなのか、当然、生き残らせる方に決まっている。
その難しいことにチャレンジしているのだから、常に、危機感やリスクは、管理していかないといけない。
リスクを管理するとは、そのリスクに備えてキャッシュを貯め、備えることを言う。それ以外に方法はない。常に、如何に、キャッシュを増やすか、それだけを考えるべきである。