㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
経営判断をしなくてはいけない時は必ずあります。
必ずある・・というか、常に、経営者は判断(意思決定)をしなくてはいけません。経営者の仕事が決めること、と言われるのはこの全ての決定を経営者はしなくてはいけない・・ということだからです。
ところが、この意思決定を全て自分で行うのは、結構大変なことです。簡単なことや単純な意思決定なら困りませんが・・・なんて、普通に思うのでしょうが、この単純なことや簡単なことが!決めれない・・間違える・・という話しなんです。
ヒトは、常に「変わりたくない」と考えています。
例えば、今の商売がこのまま続けば、楽に食っていける・・なんて典型的な妄想です。その「このまま続けば」というのは、あなたの妄想であって、世の中の原理原則ではありません。
分かりやすい例でいえば、あなたの家族の子供が学生になり、高校、大学に行けば、それだけ家計にお金がかかるわけで、それだけ年間の出費はどんどん増えていき、さらには、同じように従業員も、どんどん楽してもっと稼ぎたい・・そう考えるでしょう。同じことです。
ということは、どういうことか?
「自分に都合の良いこと」「楽な方楽な方」に考えるということです。
そして、人にアドバイスを求めた時、「楽な選択をする」ということです。
自分に言い訳をするわけです。あの人がそう言ったから・・・と。
今、酪農経営で国主導で規模拡大をしたのに・・なんて経営者がいるのは典型的にこの発想だからです。
ここで、根本的な話しに戻ると、この経営における経営者の「意思決定」の責任は誰が取るのか?ということです。
「責任」は誰が取るのか?
当然、経営者本人です。なぜなら、損害を被るのは経営者本人だけ・・だからです。
他、誰も困りません。業者?困りません。農協?困りません。だーれも困りません。困るのは、経営者だけです。
だからこそ、この自分の意思決定は、慎重に考えなくてはいけません。
慎重に考えるとは、自分の心に「本当にこれで合っているのだろうか?」
「自分よがりの考えになっていないだろうか?」ということです。
大抵、冷静に考えれば答えが出てくるわけです。
売上を減らして、この先生き残れるのだろうか?
牛の生活と、自分の生活、どちらを優先すべきか?
客観的に、冷静に、合っているのか?を自問自答するわけです。
1つ1つ。
よく聞くケースに、業者に対して「仕事を頼んだけど、やってくれない」というのがあります。「自分は悪くないんだから」という判断をしている方が多いです。
もちろん、あなたは悪くありません。
では、こんなケースはいかがでしょうか?
あなたは大会社の社長です。
幹部に、指示をしました。ですが、実際には、その指示は実行されませんでした。
あなたは幹部を呼びつけました。理由を聞くと「自分は、部下の佐藤に命令しました」と答えます。幹部は「自分は悪くない」と答えます。
あなたは、幹部に言います。「では、やったかどうか確認はしたのか?」と。「確認せず、なぜ、放置したのか?」「そうやって、やっているはず、やってるはず、という仕事のやり方で、少しずつ会社が悪くなっていく、その自覚があるのか!」と、必ず怒るはずです。必ず。そうした小さいミスが、積もり積もって、結果、どんどん会社の業績が悪くなっていくのです。知っていますよね?こんなこと。
ということです。
結果、誰が困るのか?という自問自答をしていれば、気づくはずです。