㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
10年あるいは、15年にわたって有能だった人が、なぜ、急に凡人になってしまうのか。私が見てきたかぎり、原因は、昇進した者が、昇進して新しい任務についても、前の任務で成功したこと、昇進をもたらしてくれたことをやり続ける。そのあげく、役に立たない仕事しかできなくなる。彼らは無能になったからではなく、間違った仕事の仕方をしているために、そうなっている。
ドラッカー著
40歳、50歳になって、課長や部長となった途端に「無能」となる人種がいるが、これは、無能になったのではなく、新しい役職に就いたにも関わらず、新しいやり方をしないで、今までの自分の成功体験の中でのみのやり方に固執し続けているから、その理由で、無能となっていくということである。
これは、酪農経営者に同じことが言えるのではないだろうか?
昔、うまくいったという主観的な考えに凝り固まり、今この場での正解ではなく、今までこうしてきた経験論でのみの判断では、確かに、これから先も通じる話しではないだろう。
これは、身近なところで言えば、社員で、経験者の社員を雇った時に起こる。社長が指示したことであっても、前の職場で上手く行ったやり方に固執し、自分の判断だけで指示した内容を無視することがある。その結果、損害が発生しても、その該当の社員は、「前は上手くいったんですけどね」という対応。過去の成功体験だけに縛られ、客観的に分析する・・・こんなことはなかなかできることではない。
(だからこそ、きちんとした社員は、ゼロから自分で育てなくてはならない・・余談であるが)
これと同じことが、酪農経営の中でも起こっていると思う。
今の時代は、10年前と比較しても、明らかに、状況は変化している。乳価も違うし、牛の価格も違う。これが高いのか?安いのか?は、相場による。インフレによって、モノの価格も変わっているために、絶対価格では何も言えない。そうした中で、その時代や状況に合わせて、自分の経営を変えることができる経営者が生き残る経営者なのであろう。
我々は、常に自問自答しなくてはならない
「今のこの状況で成功するためには、何をしなければならないのか?」
これを徹底的に考えなくてはならない
何が足りないのか?
何を必要としているのか?キャッシュなのか?労働力なのか?
それとも別の何かなのか?
必要とわかれば、それを徹底してやり続けなくてはならない。