㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
経営していく中で、良い時もあれば悪い時もある。しかし、経営者は、特に悪い時に耐えられるだけの準備をしておかなくてはならない。
酪農経営であれば、売上と原価のバランスが・・・と不満を呟く方も多い。また、乳牛市場の相場価格が思ったような価格にならず、不満が募る。これらは、飲食店経営であっても、他の製造業であっても、ある日突然、売上が半分になる、ということが起こりうることである。
コロナショックしかり、相手先の倒産による回収不能案件、連鎖倒産リスク、こういったことは確かに予測できない、予測はできないが、これが誰のせいなのか?というと、自分のせいでもないけども、誰が悪いわけでもない。政治が悪いわけでもない。
でも、このツケは、経営者が取らなくてはならない、会社、組織が取らなくてはならない、のである。
この危機感、売上が半分になるかも・・という危機感は、想像できる人はいるが、実際に対策を立てることができる人は少ない。
経営とは、不況の時に、悪くなった時に、経営者の真価が問われる、のだ。
つまり、経営が悪い時に、立ち直ることができるかどうか、これが経営者の強さなのだ。ここで、周りと一緒に沈んでいくようでは・・・ということである。
この強さとして、実際に売上が半分になっても黒字化できるか、を「今」真剣に考えた方が良い。
売上が下がった経営者は、誰でも、何とかして売上を回復させようと躍起になる。売上さえ増えれば、また回復すると信じているからである。酪農経営であれば、乳量であろう。しかし、冷静にドライに考えてみると、その売上回復が、そんな簡単にできるのか?ということである。
ある、飲食店経営者に、お客が減ってしまった・・・どうしたらお客が返ってくるだろうか?と相談された。広告?チラシ?従業員を増やす?接客を変える?をしたとして、すぐに売上が回復するだろうか?
製造業でも、取引先が減って、新商品を開発して、挽回したい!すぐに開発して、その新商品がすぐに売れるのだろうか?
自分が相談されたとして、本音は、すぐには「無理」だろうということである。早くて1年、2年か3年はかかるでしょ。と思うはずである。それと同じことが自分の経営にも言えるのである。
僕が1番ダメな経営だと思うのは、経営が良くなれば・・・という発想である。良くても悪くても、やるべきことをやり、しないことはしない。必要なものはやるし、必要のないことはしない。これを徹底して経営としてやれているか・・・。
突然、売上が下がれば、当然、経営は苦しくなると思う。
それでも、自分にも会社にも厳しい目で、どうしたら利益が出るのか?を徹底的に考え、実行している経営者だけが黒字化できるのだろうと思う。