㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

飼料価格の値上げが発表されましたね。さらに、円安が今現在160円前後、ここからさらに、円安が加速する・・・そんな予測が濃厚でしょう。円安は、飼料価格だけではありません。当然、肥料や機械、燃料、全てのコストを上げていくでしょう。つまり、これから先、コストが下がれば・・・なんて発想は通用しない、ということです。
今までと同じで良い、食えるだけ稼げればいい、なんていうそんな発想は通用しない、ということです。

今までと同じように・・・という考えや発想の方は、酪農経営に限らず、農業経営に限らず、他の産業でも間違いなく、これから先の環境に適応できないと思います。今までと同じやり方ではない、進化した、やり方を経営者が自分で見つけなくてはなりません。
酪農経営であれば、どうしたらもっと乳量が増えるのか、どうしたらもっと頭数が増えるのか、どうしたらもっとコストを抑えることができるのか、真剣に考え、実行していかなくてはなりません。これは、他の産業でも同じことが起きています。全ての産業でコストがかかり、生き残りをかけて、必死に模索しているのです。

この時、重要なことは、いかに、キャッシュを残すか。これに尽きます。無駄なお金を使っている場合じゃありません。経営が苦しい!と言いつつ、遊んでいる写真や大きな買い物をした社員をSNSに投稿している場合ではありません。その投資がもたらすリターンがどれだけ大きいのか、慎重に考えなくてはなりません。オフィシャルもプライベートもです。
月商の3ヶ月以上のキャッシュを保有できていれば、2年は耐えられると言われています。これだけのキャッシュ、今から貯めることは無理・・・無理とか言っている場合じゃありません。やるしかないのです。

キャッシュが減り続ける中で、どこかで、必ず反転させなくてはなりません。
つまり、利益を増やし、キャッシュが増える経営に変えていく、ということです。
これは、コストダウンで達成できるモノではありません。何度も言いますが、コストダウンでは、利益を増やす、キャッシュを増やすことはできません。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、コストダウンが、経営回復の方法ではない、ということです。コストダウンは、あくまで経営する上で、最低限やらなくてはならない、当たり前のことであって、特別なことではないからです。「コストダウン」で、経営が良くなった・成長した!という企業は1つもありません。
コストダウンをしながら、経営戦略を実行し、利益とキャッシュを増やすということです。
この利益とキャッシュを増やすためのヒントとして、
今まで自分が逃げてきた、苦手だからやらなかった、ことを真剣にやらなくてはならない、そういう状態かもしれません。よく分からない、知らないから怖い、ではなく、必要なことを優先してやる、そうしなければ、ここから先へ成長できません。