㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

不景気な状況は何も不幸ばかりではない。事実として、不景気の時に起業した会社ほど、その後も生き残り続けている、というデータがある。
普通の考えなら、景気の良い時に起業した方が良いのでは?と思うのが、普通だろう。景気の良い時なら、成功しやすい、そう考えるはずだ。ところが、経営はそんなに単純じゃない。
なぜ、不景気の時の方が生き残る確率が上がるのか?

不景気になれば、コストに対する意識がまずは徹底的に違う。作れば売れる、売れれば儲かるだけなら、コスト意識なんてモノは皆無だろう。キャッシュに対する意識が全くもって違うのである。つまりは、経営の厳しさ、からして、違うのである。
その上で、不景気の時に起業すると、経営者にとって、この厳しい状況は一般的になる。厳しい状態が普通である。販売先であるお客様の意識も厳しい。直接取引したことがある経営者ならわかると思うが、お客様の評価というものは、厳しいのである。それは時代とともに変化する。常に、改良、アップデートしていかなくては、勝てない。この意識が、通常化しているのが、不景気の時の経営者である。

この意識のまま、景気が良くなれば、それは莫大な利益となる。コストは変わらず、販売単価が上がる、生産量が増える。これによって、利益が格段に増える。生き残る確率は、跳ね上がる。

経営者の中で、地獄を括り抜けた経営者は強い。本当に死ぬかもしれない・・・という地獄を括り抜け、そこから、開き直って、前に進み、這い上がることができた経営者は強い。
これも同じ理屈で、どん底の時の、精神状態。この時、少しでも良い!と思ったことはトコトンやる!「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」そういう思考になっている。迷っている時間なんてない。すぐにやる、失敗したら、改良して、またすぐやる。そうやって、凸凹しながらでも、前に、前に、という経営者は強い。
大抵の方は、嵐が過ぎるのを待っているだけ。環境が変わるのを待っているだけ。それでは、何も変わらない。
自分の足で、自分で手で、前に進める経営者、そういう素養が育つのは、不景気の時しかない、のである。