㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
我々がなんの自制も努力もせず、物事を考えるとき、最初に出てくるのは、感情や本能である。我々はまずこの本能で物事を判断してしまう。自分のことを優先して考える。自分にとって損か得かで考えてしまう。
経営者がこの感情や本能で行動してしまったとき、その会社は必ず崩壊する。
感情や本能のままに、我々がいざ自分の経営を振り返った時に、自分のやり方や方法を否定するのではなく、環境のせいにしてしまう。自分にとって恵まれていない部分にスポットライトを当てて、自分が有利な部分には目を向けず、環境を否定する行動に走ってしまう。
政治が悪い、農水が悪い、農協が悪い、となる。
ところが、理性でもってこの状況を分析すると、悪い悪いと言っている環境は、誰もが同じ環境にいることに気づく。多少の誤差はあれど、同じ環境にいるのではある。その環境で、儲かる経営と儲からない経営がある。つまり、否定すべきは、経営者である自分であることに気づかなくてはならない。
何も考えず、何も知りもせず、無造作に経営をしてしまうと、必ず「感情」や
「本能」が優先する。その感情や本能が優先した考えは、はっきり言えば非常に醜い。醜いということは、誰からも支持されない、ということだ。社員からも、取引業者からも、支持されない。そうなれば、当然良い経営などできない。
では、「感情」や「本能」を押し込める、とする。今からそうしよう!とする・・・が、実際にこれを理性で押し込める、というのは、やってみると分かるが非常に難しいことがわかる。誰だって、自分に起きた不幸は嫌なことである。突然降って湧いた不幸が自分にだけ起こる。なんで?となり、環境のせいにしたくなる。それくらい、感情や本能に逆らうというのは難しいのである。
しかし、抑える努力をしなければいつまで経っても達成できないのも事実である。
経営者はキレたら負けである。これは事実。キレて良いことは1つもない。キレたくなった時、この感情、本能をどうやって抑え込むか・・・普段からの姿勢が問われている。