㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

2024年8月期の決算が発表された。
売上 3兆1038億円 営業利益 5009億円(16%)
という数字であった。利益率 16%という数字は、大企業では特に驚異的。ましてや、アパレルという凡庸で退屈そうな産業で、この数字は単純に凄いとしか言えない。
しかし、ユニクロ経営者の柳生さんは「凄い」とは、本気で思っていないと思う。

「まだまだ全くの未完成であり、今現在も悪戦苦闘している最中である。成功など程遠いと思っている。ただし、明るい希望と高い志を持って仕事をすれば、もがき苦しむ中でも一歩一歩現状が改善され、自らも会社も成長していくと考えている。結局、何をするにしても王道はなく、いつでもどこでも地べたを這うような地道な努力が必要なのである。」と言っている。

これだけの大企業、これだけの決算数字(結果)を出しても、いつユニクロが倒産へ向かう舵取りをしてしまうのかを心配している状態。
経営が良いことは「会社にとって良いことだ」、これ自体は間違っていないが、この「会社にとって」という部分で、気づかない間にジワジワと侵されてしまうことがある。
「今のままでいけば・・」「他人に任せても大丈夫だ」「自分で思考せず言われた通りそのままやる」など、こういった、楽をしたい、安定志向の思考、これれが間違っていることに気づかない、気付けない。あらかじめ計画する安定成長などはあり得ないのである。もがき、挑戦し続けなければ安定成長さえできない、ということを理解しておかなければならない。

実際にユニクロも、順風満帆に右肩上がりで拡大し続けてきたわけではない。売上が下がったり、利益が減ったりした年もあるし、それが3年続いた時もある。比例線のように右肩上がりにまっすぐ、なんてことはあり得ない。必ず凸凹する。その時、経営者としてどう対処するか、どう考えるか、どこまで考えるか、どこまでやるのか、これらを必死に考え尽くさなくてはならない、と思う。