経営者には、素直と、フレキシビリティ(柔軟さ)がある方が良い。
経営者の柔軟さとは?

経営している中で、過去に「こうやって上手くいった」という成功事例があったとします。「しかし、それよりももっと良いやり方がある」となった時に、すぐに新しいやり方に切り替えるというのは、なかなかできないこと。それが、大きい会社になればなるほど、できなくなってしまう。仮に店舗経営をしていて、100店舗あって、新しいやり方に切り替えるとしたら、その全部を改造しなくてはならず、莫大な費用がかかる。普通の人は、そこで「大変だから、まあ今のままでいいか」となる。

ここで、「お金のことはいいから、すぐに変えよう」と決断して行動する。そうやって変えて、次にまたもっと良いものを海外で見たりして、また直ぐに変えよう、と言って切り替えてしまう。部下たちは大変です。時間もお金もかかる。今よりも新しくてより良いものを見たら、過去の成功に囚われず、お金のことを考えず今のやり方をスパッと切り捨ててしまう。これをフレキシビリティ(柔軟さ)と言います。

何十年と変わらず同じやり方を続けてしまうのは、経営者にはあるあるで。それが、たとえ効率が悪い、最新の研究では正しくない、となっても、そこから「変える」という決断をする、その腰が軽い、そういう経営者はほとんどいません。そこには「失敗したくない」「損をしたくない」という心理があるんだと思います。結果、何も変えない。
何も変えない、何もしない、というのは「損をしていない」と考えたくなる経営者が多いですが、これは損失が発生しています。何もしないとは、投資をしていない、ということであり、未来に発生する「利益」を失っているということです。全てにビビり、何もしなければ、損しないという勘違いから、将来未来にわたって、少しずつ利益は目減りし続けていくわけです。それには、気づけません。

小手先の何かを変えるのではなく、大きくやり方を変える、という決断を直ぐに実行できる経営者は多くありません。