自分自身のことで、先日、ある知人に、最近調子はどうか?と聞かれた際に、今は普通です、と返答してしまった。その人は、知人と言っても、ビジネスでの付き合いのある方で、そう返答すべきではなかった。「調子いいですよ」と返すべきであった。反省しているところだ。
経営者は、経営に対する自信がありすぎてもダメ。それは過信に繋がる。逆に自信が無さすぎてもダメ。それは、不信になってしまう。自信の無さは、融資がおりない。この投資、事業をやりたい中で、「できるかどうかは、やってみなくちゃ分かりません」では、話しにならない。やるからには、絶対に成功させる、そういう自信が必要である。一方で、自信が慢心になってもダメ。特に、財務に関しては、石橋を叩いて叩いて、それでも渡らない、くらいの慎重さが必要になる。
ウサギとカメの、カメであるべきであるが、怠けないカメでないといけない。1歩ずつでいいから、ゆっくりでもいいから、少しずつ経営を進めていく。そうでなければいけない。
この事も、頭では理解しているが、実際に実行するとなると、果てしなく難しい。
特に財務に関しては、より経営者としての「質」が問われる。経営が良い時も、悪い時も変わらず、キャッシュフロー経営ができるかどうか。経営が悪い時は、誰でも「無駄な支出」を抑えるのは当然と考えるが、経営が良い時にそれができるかどうか。このくらいならいいや、とか、まあまあなどの適当な言い訳でやっていないか。さらには、経営が悪い時であっても必要な投資を実行できるかどうか。そこで思い切りよく、やるべきことはやる、という意思をそのまま実行できる勇気を持てるかどうか。
これは理屈の問題ではない。後になれば、誰だって正解の選択は分かる。あの時、選択すべき正解は、後になれば分かる。大事なのは、その前段階で、選択できるかどうか、ということ。その時に「勇気」を持って、進むことができるかどうか、ということ。
そのためには、些細なこと、と思うようなことが命取りになる。そういう戒めが必要である。経営者としての自分にとって、この「調子はどうですか?」の答えは、もう決めていたのに、それが、土壇場ですぐに出なかったことは痛恨の極みである。普段から偉そうにしているにも関わらず、肝心なことができていない、と思われても仕方ない。今後、本気で気をつけないといけない。
