(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
先日、朝まで生テレビでの竹中平蔵氏の発言が一部Twitterなどで話題になっている。非正規雇用が増えたのは竹中平蔵のせいだとか・・・なんやかんや色々言われ、一部では「売国奴」「殺害予告」まででる始末・・・なんでこんな話しになるのか?をちょっと論理的に考えてみたいと思います。
そこには現在の経営者の悩みも含まれています。
竹中平蔵氏が当時(小泉政権)内閣中枢に入っておこなった改革の1つに「労働者派遣法」を制定し、いわゆる非正規社員と呼ばれる人たちを増加させた!というのが一般的な彼の評価になります。彼を非難する人は必ずこの論調なんですが、この法律(労働者派遣法)の本当の真意はどこにあるのか?ちょっと経営者でなければわかりづらいかもしれないが・・・考えてみてほしいと思います。
彼の発信している情報の1つに「今の正社員制度は守られすぎている!」というモノがあります。世の中に存在している多くのヒトは、労働者でありサラリーマンであるために、この正社員が守られすぎている・・という理屈がまず理解できる事はありません。正社員は今「本人の業務能力が低い」という理由では経営者側は解雇する事は基本的にできません。またはそれを理由に給料を下げる事ができません。もちろん、これは「労働者側の生活」を考えれば「当然の権利!」という考えもできますが、何もないところからその利益の源泉、つまりはお金を生み出すことはできません。つまり、企業体として事業でも同じだが、利益が出なくてはその労働者の生活すら守れないのもまた事実なのです。
雇用とは本来、労働者と企業との雇用契約であるべきですが、資本論をはじめ昔から経営者側が労働者から搾取しているという風潮が広まっているために、そういった誤解がずっと続いているというのが実情です。実態は、労働者が産み出した利益から労働者自身の給料が支払われているというのが事実なわけです。
そして、この事は過去においては「作業の対価」=「利益」という構造だったために、労働者は作業をしていればこの「利益」が確保できていましたが、それが今や産業構造の変化という、もう何度も何度も言われている「仕事のやり方が劇的に変わってしまった」という事から、同じだけの利益を確保するという事が不可能になってしまったというわけです。
古くはパソコンから・・ネット、スマホなどなど新しいデバイスに対応していかなくては、今まで同じ利益を確保できない時代になったにもかかわらず、それらに対応できない労働者、経営者が多いのも事実です。この変化のスピードについていけていないというわけです。
それらの方々に対して、「解雇」できないとなれば・・・飼い殺し状態は止むを得ないし、その利益減の負担はどこにいくのか?と言えば、それは非正規と呼ばれる方達へ負担が流れる、つまりは給料を下げれるところはどこか?経費を下げれるところはどこか?といった流れから、今の非正規雇用問題が生じているというわけです。
続く・・