(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
今の状態では自分は輝くことはできないのではないか?そもそも何をしても変わらない「無理ゲー」に放り込まれたのではないかーー。
アメリカでも問題になっている格差、これを考えるときには「公平(機会平等)」と「平等(結果平等)」を分けて考えておかないといけません。
「公平」とは、徒競走を例にすると、全員が同じスタートラインに立って同時に走り始めることです。しかし、足の速さが違うので結果は「平等」にはなりませんよね。
「平等」とはこの結果を同じにする行為で、足の遅い子は距離を短くしたりして全員が同時にゴールできるようにする行為です。
このような時に、5歳の子供であっても「不平等」を認めるけども、「不公平」はズルいと感じことがわかっています。
人が理不尽だと思っているのは、この「不公平」なんですね。
今の世の中は、結局は「知識社会」だ!という言う人もいます。知識社会とは、知能の高い人が有利になる社会、学歴だったり、会社内での出世が早いという状況です。今の日本での社会のことですね。知識の良し悪しで、自分の年収や結婚、全てに影響を与えます。
この知識社会でも、競争を公平にしようとすると結果は不平等になります。
さっきの徒競走と一緒で、公平と平等は両立しないんですね。
勝てる人はごくごく一部ですので、このゲーム(知識社会)を強いられていると思っている人は理不尽だと思うわけです。これが「無理ゲー」の正体です。
こうした「無理ゲー」の中で、自分らしく生きたい、自分らしく輝いて生きたいーーという若者が日本でもチラホラいます。自分探しをしよう!という類いの話しです。この社会では自分は不平等を強いられている・・というのが彼らの主張なわけです。これは、気持ちの問題であるとか考え方の違いであるとかそういった話しではなく、現実の実社会で起きている現実ということがアメリカの格差を見るとわかります。
アメリカでは「インセル(非自発的禁欲)」という自虐的な俗語が、ネット世界で広がっています。今回トランプ元大統領の支持者に多い、プアホワイト(貧困白人)という人たち、彼らは自分たちも貧しいのに、なぜ?黒人やマイノリティを優先するのか?という反発心を持っています。今まで当たり前にあった生活が、テクノロジーとグローバル化によって古き良きアメリカの一般家庭という生活が突然消失してしまったわけです。2019年「ジョーカー」(映画)はまさしくそのプアホワイトを映画化したモノです。
彼らには経済学の難しい理屈はわかりません。彼らは「ディープ・ステイト(悪の政府)」が裏で暗躍しているに違いない!それと我々は戦うべきだ!ということで「Qアノン」の陰謀論が広まるわけです。
今まで世界ではこの「格差」を壊す、4騎士がいると言われてきました。それは・・
戦争 革命 崩壊 疫病 の4つです。
今回このうちの1つ疫病、コロナが世界中で猛威を振るっていますが、格差が縮まるどころか広がっていく一方です。まさか、mRNAワクチンという新技術によってワクチンがこれだけ早く世界中で広まるなんて、今までになかったことです。
戦争も起こる起こると言われていますが、資源が石油からデータへ移った今戦争のメリットは誰にもありません。革命や国の崩壊も、今のアメリカや日本では起こりようもありません。
最大最強の4騎士ですら、このザマでは誰にもこの格差を止めることはできません。これが今の資本主義のルールであり、「公平」というルールなわけです。これから先、格差が止まるどころから広がっていくと考えるのが、妥当な線というところです。
この残酷な格差社会を生き延びるためにはどうすればいいのか?
この残酷なルールを社会や政府が変えるというのが、無理とわかっている以上、個人で自ら考え実践していくしかありません。残念ながらこうすればいい!というような答えはありません。このルールの中で、合理的で効率的な人生を設計していくしかないのです。