(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

コロナウイルスに対するワクチンとして「mRNAワクチン」が使用されている。元々ワクチンの開発と実施には早くても1年半以上かかると言われていたのが、およそ半年で完成し、もはや投薬され始めているのは何故なのか?を解説していく。

ワクチンとは、感染を予防するモノではなく、感染した場合に重篤化しないために投薬するものという前提がある。よくインフルエンザワクチンを投薬したのに・・・という方がいるが、感染はするけど症状が出る前に治癒したか重篤化しないか、もしくはウイルスの型が違ったか、のどれかである。つまり、ワクチンを投薬したからといって、感染しないのではない。

元々、ワクチンには
・生ワクチン
・不活化ワクチン
という大きく分けて2種類が存在していた。
生ワクチンの場合、一度体内で抗体ができてしまえば、一生抗体を持つことが可能だが、不活化ワクチンの場合は定期的に投薬しないと効果が持続しないという特性がある。つまり、何度も投薬するワクチンは現在全てこの不活化ワクチンというわけ。というのも、生ワクチンは低確率で通常の発症をしていまうリスクがあるために、今はなかなか使われていない。

では、今回登場したmRNAワクチンとは、従来のワクチンと何が違うのか?ーー

今世界中で生産されている「不活化ワクチン」は、「開発する」コストと「作る」コストが莫大だということ。孵化鶏卵に・・・という、見たことがあるひともいるかもしれないが、人為的にRNAを作り出して、取り出して、という生き物の性質を利用した方法で、その鶏・卵の数々の中からワクチンに成功したものを増やしていくというーー古典的な方法だ。

それと比べ、mRNAワクチンは欲しいワクチンを直接投薬したモノから「培養する」技術。ワクチンの設計図を投入し、人間側の体内で「免疫・抗体」を作らせる方法というわけ、本当に簡単に説明するとーーこの方法なら膨大な失敗の中から、成功の1つを探して、それを培養して増やすという旧来のやり方よりも、より効率的で短時間で大量にワクチンを生産できるということが可能になる。
しかし、そうは言ってもこのmRNAワクチンには今まで数々のブレイクスルーという「壁」が存在していた。それが今回のコロナショックによって、莫大な研究開発費と人材、そして莫大な売上が見込まれるために、急ピッチで開発され、治薬試験自体も直接実施されるというような特例中の特例で進んでいる。

問題点は3つ
・ワクチンの温度管理
・アレルギー反応・・1万人に1人なのか100万人に1人なのかわかっていない
・自己免疫疾患・・ごく稀に起こる
だが、詳しく説明してもわかりづらいのでリスクはゼロじゃないという認識で良いと思う。

それよりも今回のmRNAワクチンは今までのワクチンとは概念が違うということ、ビルゲイツが危惧していたように今後起こるとしたら「疫病が人類を苦しめる」これが最大の敵と言われていたが、それすらも乗り越えことができるのかもしれない。未知の惑星で未知のウイルスが発見されても2週間くらいでワクチンができてしまう・・・そんな未来があるのかもしれない。