㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営は、経営者の「勘」によるところが多い・・・というのが主流の考えだが

経営における「成功」は再現性が全くない。再現しようとすれば、確実に失敗する。なので、よく、経営は理屈じゃなくて経営者の動物的「勘」が重要だとも言われる。「勘」=「センス」とも言える。

この答えは、ほぼ合っていると思う。経営において「理屈」では説明できない、運とかタイミングとか、そういった外的要因も多数関わってくる。いわゆる「ケモノ道」で、右、左、とその時その時最適を思われる道を都度選択し続ける。これを繰り返さなくてはならないからだ。

でも、この考えにも「リスク」がある。それは、ケモノ道で身に付く嗅覚は、ケモノ道であるが故に、視野が狭く、視界が固定化しやすい。走りながら考えている(作業に追われながら仕事している)と、どうしても視野が狭くなります。
これを車の運転に例えると分かりやすい。運転中によそ見なんてできません。よそ見をすると、危険です。事故の危険性が高くなります。だから、運転中の視野は相当に狭いわけです。ところが、一度運転から解放されると途端に視野の範囲が変わります。見える範囲とともに、モノをよく見れるようになるわけです。この傾向は、高速道路で走っているヒトほど顕著になります。これだけ世の中が激しく変化していく中で、みんな速く走ること(早い決断)を強いられています。
ものがよく見え、的確な判断と行動ができるという野生の嗅覚の強み(ケモノ道)は、「走りながら考える」ということ自体にあるので、この視野と視界の問題はすぐには解決しないジレンマです。

この考えは、経営をなるべく理屈(論理的、数字)で考えたい経営者ほど実感する話しじゃないかと思う。この経営は「勘」だけに縛られ、爆走する経営者を客観的に冷静に見るほど、つまりは毎日毎日「忙しい」しか言わない経営者ほど、常に高速道路を走り続けているからだ。
自分の決断が客観的に判断できるか、そこに差がある。