㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

酪農不況の今、この業界には悲壮感がたっぷり漂っている。先日も、「今、どうやって儲けることができるのか分からない」という投稿をしたところ、「本業(酪農)は儲からないから、副業を探すべきだと思う」というような、トンチンカンな回答がきた。
本業で成績を上げることができないのに、なぜ副業がうまくいく?という思考回路が僕には全く理解できないが、こういった思考が世間の常識なのだろう。普通に考えれば、飲食店経営者が、飲食は儲からないから、フィットネスジムをやろう!とすれば、赤字を増やすだけだから、今の自分の事業に集中した方が良い、というのが当たり前の理屈だが、いざ、自分がその立場になると、違う思考になってしまう。

今、酪農は儲からないから。という思考回路の人は多いと思う。では、酪農バブルと呼ばれた儲かっている時代は、どう過ごしていたのか。
普通の人は、不況と呼ばれる時、何をしても儲からない、儲からないのは自分の実力ではない、という他責っぷりを発揮して、「悲壮感」を漂わせる。
では、好況と呼ばれる儲かっている時はというと、成金になったかのように、湯水の如く無駄金を使う。

経営者は、不況の時こそ「これを乗り切れば経営が上向く」と動き、好況の時こそ「このままだ足元を掬われるぞ、兜の緒をしめよ」と動くのが正しい姿である。

不況の時、農水のせい、アメリカのせい、円安のせい、中国のせい、言い訳はいくらでもできる。しかし、これがいざ好況になれば、自分の経営が上手いからだ・・と勘違いをする。これでは、足元を掬われてもしょうがない。