㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

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2023年の世界GDPランキングが、日本が3位から4位に転落することが、報告された。抜かれたドイツは、人口が8000万人ほど、日本の1億2000万に比べると、1人あたりGDPは、ドイツが日本の1.5倍になることが分かる。
この数字を見て、日本は本当に技術大国なのだろうか?
今やっているビジネス、経営は本当に正しいやり方なのだろうか?
あらゆる産業で、今のやり方は正しいのだろうか?
と、真剣に考えなくてはならない。

今月、とうとうオランダ視察に行くわけだが、ホテルの予約をすませ、事前の準備を進めていく過程で、EUと日本の物価の差に驚く。ドイツの最低賃金が、12.41ユーロ(1874円)、日本の約2倍にあたる。ホテルなどは、1泊3万円が、日本の東横インのイメージである、3倍。そのホテルの朝食が4000円から。これも日本の3倍。
最近は、インバウンドが再開され、日本に来る外国人がどんどん増えているが、その多くは「日本が安いから」が理由なのである。治安がいいから?NON-NO、安い割に治安がいいから・・であり、ホテルなどのサービスは、安い割に良い程度で、海外の方がサービスの質は高い。料理も、安い割に美味いであって、美味いかだけではない。

こうしたGDPが抜かれたことは、農業産業においても無視できない。
作業機械のほとんどが、このEUで作られたものであり、こうしたコストが高いはずの国から輸入しているのである。技術大国であるならば、国産の作業機械がNo.1であるはずが、そうではない。
また、酪農産業であれば、とうもろこし、飼料作物の代表であるメイズ(コーン)は、アメリカから輸入している。配合飼料の4割以上は、メイズ(コーン)からできているが、その多くは、日本の物価が3倍のアメリカらから輸入している。
なぜ、日本国内で作ったメイズより、輸入したメイズの方が安いのか?
皆さんは疑問に思わないだろうか?
輸入した場合、もちろんそこには輸送費がかかっている。キロあたり、30〜35円/kgかかると言われている。それだけの輸送費をかけても、国内で作るよりも、アメリカから輸入した方が安いのはなぜなのか?
日本より物価が高い、コストが高い、海外でなぜ、産業として酪農ができているのか?そのヒントが今回の視察で発見できればと思っている。