㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

有名経営者の自著を読んでいると、金融機関から借入をするシーンが出てくる。
当時は、今現在の保証協会がなく、金融公庫(国金)も融資判断が相当厳しかった。その中でも、保証協会がない、というのはどういう状態なのか。

保証協会を知らない人のために、説明すると
中小零細、特に小規模零細が借入をする際に、その保証をしてくれる組織。
借入をした企業が、返済不可能となった場合、銀行に対して代わりに代位弁済する機関のこと。これによって、銀行は企業に融資をしやすくなった。

保証協会は、平成19年、2007年から実質金融機関との連携を始めたために、それ以前の貸付は、今の経営者と比べると、相当のリスクがあった。
日本電産の永守重信さんの著作にも出てくるが、彼の創業期1960年代では、借入の際、自分と兄弟にまで連帯保証人をつけて、借入を行なったとある。つまり、永守さんが事業を失敗したら、一家全てに負債がのしかかる状態である。それを知った母親が、「どうか会社を作るのはやめてくれ」という懇願をしてきたそうだ。
連帯保証人、もしくは、不動産などの担保物件、家、土地、こういった資産がなければ、借入をするのが難しかった時代であった。

保証協会ができる前と後では、確実に、金融機関の融資条件は緩和されている。
この保証協会制度の良し悪しは確かに存在するが、でも、良しの方が圧倒的に多いと思う。つまりは、昔よりも今は確実に潰れづらくなっている・・・はずである。保証協会付きで融資をすれば、多くの融資はとりっばぐれが減るから、金融機関は融資しやすくなるはず・・・である。実際に、保証協会ができたことで、政策金融公庫による創業融資500万円は、ほぼほぼ審査が通るような時代になった。当時の状況からしたら、信じられないくらいの好条件である。
ちなみに現在、公庫の融資は保証協会は付けない。
これは、非常に重要なことである。