㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
経営において、何か新しいチャレンジをする、決めたとしよう。
規模拡大でもいいし、売上拡大でもいい。メイン事業に付随する何かでもいい。
新しい何かチャレンジする、ということはそこで発生するのは「投資」である。
投資とは、先に支払いが発生する。大きくキャッシュが減る、さらには、設備投資であれば、減価償却が大きくなり、ほぼほぼ赤字になる。利益を回収するのは、後になる。3年、5年、10年後かもしれない。それまで、キャッシュ・バーン(現金燃焼)に耐えなくてはならない。キャッシュが減る恐怖。いつ潰れるかも分からない中で、絶対に生き残る、成功させる、という強い意志。
毎月、毎月、どんどん減り続けるキャッシュ。
規模は大きく違うかもしれないが、イーロン・マスクのテスラは、一時、3~4ヶ月で3,000~4,000億円を燃やしていたと言われている。楽天もモバイル事業に参入してから、社債発行の金利が10%を超えるものを販売していた。それだけ、キャッシュを確保するのが難しかったということだ。その時の経営者の恐怖、キャッシュ・アウトするかもしれない恐怖は、尋常ではないだろう。
彼らに比べるまでもないが、我々が日本で高金利といっても、せいぜい3〜4%。金額も、億にまで届かないであろう。彼らが抱える恐怖の1%もないかもしれない。それでも、やはり、キャッシュ・バーンの恐怖とは、戦わなくてはならない。この戦いから逃げてはいけない。ちょっとだけ・・・なんていう甘えで、今日は・・・というようなご褒美、こういった甘えが身を滅ぼす。大した金額じゃないかもしれない。しかし、そうしたわずかな甘えが、気付かぬ間に広がり、気付かぬ間に油断し、気付かぬ間に慢心して、綻びを生む。
キャッシュ・アウトしてから気づいても遅いのだ。アウトしてからは、何をしても遅い。会社が潰れてしまってからでは、遅い。そうなる前に、対処しなくてはならない。対処するといっても、一朝一夕で何とかなるものではない。すぐに結果が出て、キャッシュがみるみる増えていく・・・なんてことはあり得ない。コツコツ、1つずつ積み上げていくしかない。そして、早めに気づいて、行動していくしかない。
キャッシュ・バーンの恐怖から逃げてはいけない。キャッシュ・バーンする現実から逃げてはいけない。