大きいことをなす、壮大な計画をたて、それを実行しようとする・・・が、何をしていいか分からない。何から手をつけていいか、分からない・・。
「箸よく盤水(ばんすい)を回す」という言葉がある。盤水とは、丸い大きなタライに入った水のことである。細い箸1本で、盤水を回そうとしても、スカスカと水を切るだけで、あまり意味がないように見える。しかし、休むことなくひたすらに箸を回し続ければ、そこには小さな渦が生まれて、それがどんどん大きくなって、しまいには盤水全体が大きな渦となる。
つまり、小さな努力であっても、ひたすらに続けていけば、やがて大きな事を成し遂げることができる、という事である。
大きな事を成してきた偉大な経営者たちは、ひたすらにこの「努力」を積み上げてきた。その努力の結果、大企業となっているのである。それは、決して語られることはない。本人たちも、それを努力と思っていないのかもしれない。しかし、この「努力」無くして、成果は得られない。
今、自分がやっている事は、小さな事かもしれない。しかし、それが、盤水の水を少しでも揺らしているのかも・・しれない。そう思えば、必死にこの「努力」に食らいつくことができるのではないか。そして、その努力を積み上げ、継続し、その先に大きな成果となりうるのではなかろうか。
なぜか、自分がツライ時ほど、他人が青く見える。隣りの芝生が青く見える。あの人は、休んで儲かっていて羨ましいと、そんな勘違いをしてしまう。そんな訳はない。その結果が出るのは、明日、明後日ではない。10年先、20年先である。重要な事は、ここで今!小さな渦を1つ作る事である。渦になるまで、ひたすら箸を回す事である。どんなにか小さい渦でも良い。ひたすらに渦を作れば、その先に必ず、盤水は回るのである。