(株)DCFサービス 酪農コンサルタント 代表 中野です。

新型肺炎コロナウイルスの影響によって、学校登校が休校となり「学乳」が余るということが報道され、SNS上では「牛乳を飲もう!」というような投稿が増え、それが社会現象にまでなっています。
もちろん、その中には関係者の方も多いですが、関係者でもない一般の方も多いように見受けられます。

そうした動きの中、一部の酪農家から「普通に牛乳や乳製品を買ってください」「この後の消費落ち込みが怖いから普通に!」というような投稿がチラホラ出ています。

こういった心理は一部理解できますが、一部理解できません。
理解できる部分をお伝えすると、消費者の方はほとんどご存じないと思いますが、今回の学乳停止で困っているのは酪農家が1番ではありません。間にあるミルクメーカー業者や乳業製造業者さんとそのバイヤーですね。
今今の生乳の行き先、新しい売り先の確保、販売増に伴う輸送配送手配などなど、本当にてんてこ舞いだと思います。

数字的予測が全然わからない状況で、もう手探り状態でとりあえず今の生乳の処理をしなくてはと動いている方々、日夜どんどん積み上がっていく在庫の不安を考えると心中お察しします。

一方理解できない思考は、この牛乳消費促進を止める動きですね。
昨今、「一部のヴィーガン」や「牛乳を飲むとガンになる」等、訳のわからない輩が根拠のない主義主張を述べている中、これだけの方が「牛乳が好き!」「チーズが好き!「バター安くならないかな」と言う声が多いことは、喜ぶべきことなのではないのかな?と僕は思います。

ただ、こういったなぜか?反発してしまう心理をロジックで分析すると、あまりにも大きい流れのため、通常の流れに戻そうという心理が働いているように思います。生き物は常に「安定」を求めます。こういった発言をされているほとんどの方が安定的に買ってください!と言っています。

あまりにも大きい振れ幅にはそれを戻そうという力が働くということが今回も起きているのでしょう。
今もこれからの日本でも最も遠い言葉は「安定」なんですけどね。何だか皮肉的だなと感じます。

あなたの経営の参考になれば・・・