(株)DCFサービス 酪農コンサルタント 代表中野です。

僕のYouTubeチャンネルで紹介した「コロナによって食糧危機が起こるは・・嘘」でも解説したことと似ているが、ここではもっと具体的に、穀物価格が決まる要素について解説していこうと思います。

穀物価格は、通常のその他の商品のようにいわゆる需給バランスだけで決まるものではない。原油価格との関係や、米中の地政学リスクなど複雑な要素が入り混じって決定されている。
そんな状況の中で、今回、メディアも個人でもコロナによって食糧危機が起きるかも?だから、備蓄しましょう〜なんて言われているが、それは本当なのか?穀物の先物取引から数字的に予測してみましょう〜!

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とうもろこし相場を見ると、ご覧のように上がっていません、むしろ下がっていることがわかると思います。この理由としてあるのが、原油相場が下がっていることが挙げられます。これは、皆さんもご存知のバイオエタノールの使用が減っているためです。原油が下がれば、エネルギー価格も下がります。これによりシェールガスやバイオエタノールの方がコストが高いとなり、バイオエタノールに使われていたコーンが余る可能性が高い!という理屈です。
さらには今年2020年のコーンの収穫予想が良と出ているため、これまたコーン価格を下げる要因が発生しています。

では、大豆はどうでしょうか?

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大豆は、今年に入り下落傾向にありそこから徐々に上昇しています。
なんと、大豆もコーン、同様バイオディーゼルとして燃料として利用されています。これは僕も知りませんでした。そのため、原油価格の暴落によってコーンと同じ現象、下落がおきました。その後、中国が経済再開をしたため需要が回復すると見込まれ、大豆も今年2020年は豊作予想が出ていますが、4月からは徐々に上がっています。

さて、次は「小麦」

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小麦もなんと少しずつ価格は下落しています。
これはもちろん、豊作予想もあるそうですが、コロナの影響を受けて各国輸出規制をかけましたよね?そうした事で、成約率が悪くなったため、動きが悪くなり、各業者在庫がはけないため、価格が下がっているそうです。
元々足りないモノを輸出規制をかければ、それは価格は上昇しますが、世界中どこでも買えるような商品であれば、ちょっとでも滞留することで逆に価格が下がるなんてことが起きる・・よくあることかなと思います。

これら穀物価格の代表的な3つ「コーン」「大豆」「小麦」の相場を解説しました。これは数字的な真実です。感情や思いや願望とは、全く違います。食糧が足りなくなれば、もしかしたら「戦争」が起きるかも?なんて質問してきた人がいますが、そんな事は今現代ではあり得ません。
戦争で領土を拡大するよりも、輸入した方が安いからですww
これらの事実から何かあっても慌てることなく、一人一人がリスクを正しく認識しておくということが大切だということがわかると思います。

あなたの経営の参考になれば・・・