(株)DCFサービス 酪農コンサルタント 代表中野です。
フードテックとはFood Technology フード テクノロジーを略した造語。今、ITとバイオサイエンスとが融合し、食に対する技術革新がますます進みつつある。 これは何も食べ物だけではなく、5Gの大きな目玉の1つ IoTが調理器具にまで浸透し、調理器具をコントロールする時代「キッチンOS」の考え方が存在し、実装されようとしている。約3回に分けて、このフードテックについては語りたいと考えている。
フードテックは基本コンセプトとして、いわゆる「食べ物に関わるスマホ」を目指すという考えである。ただ、その根幹にある根深い悪魔のような意識・・今回はそれをまず紐解こうと思う。
「料理は手作りが美味しい」という呪い。料理の隠し味は、愛情・・とか、最後のスパイスは真心とか、とかくそういった「呪い」がこの食べ物には付き纏う。その代表例が、有機野菜とかであろう。
僕も中学の家庭科で「添加物」の怖さを叩き込まれたため、高校や大学では食べ物はなるべくオーガニックという魔法にかかってしまった。ここで再度定義しておくが、有機やオーガニックとは何も無農薬や化学肥料を使わない事を意味する言葉ではない。この有機というのは「トレースできる(追跡できる)」つまり、機会が有る、繋がりがある、なので無農薬かどうか、化学肥料を使ってないかどうか?を証明できるかどうかにすぎない。つまり、有機とはトレサできる生産物の事を示すのだ。
ここで多くの人が??と思うと思う。そう!今の時代、トレースできる事はそんなに難しい事ではない・・スマホによる写真データや位置情報データにより簡単にトレサできてしまうし、さらには直接販売することも簡単になってしまった。「食べチョク」や「ポケットマルシェ」などのアプリのためである。
そして、それは更なる価格競争を招いているという事実もある。今現在、オーガニックであるか、そうでないかの食品に、店頭ではそこそこの価格差は存在しているが、それを作っている生産者にとっての手取りはほとんど変わらない。
これは先ほどあげたように、トレサしやすい環境が整いやすくなっているという事により、付加価値が下がっている事がある。
話が逸れてしまったが、この「手作り」という「呪い」をどこまでイノベーションできるのか?かがこのフードテックの目的の1つとなっている。この「呪い」は男性が主にかかっていると思われるが、女性も結構かかっていると僕は思っている。
つまり、冷凍食品や中食(お惣菜)などで家事をサボるよりも、手作りで作る方が素晴らしいという考えの事である。僕は何でも「合理的に」考えるクセがある事を前提にここから聞いてほしいのだが、今の冷凍食品は本当に美味しい。さらには少量で1人や2人なら、買った方が安い。安い、美味い、早い、ならこれを嫌う手はないのだろうか?ところが多くの人は、食卓にこの冷凍食品を使ったりすることに一種の「罪悪感」を抱くケースが多い。サボっている感とか・・・。
この罪悪感に関しては、キリスト教や孔子の儒教など宗教や道徳が絡んでくるので次回はその辺りの精神性も解説しようと思う。うーん。3回じゃ終わらないかも。
あなたの経営の参考になれば・・・