(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

2050〜2060年に向けて人口が減少していく。その数字はおよそ2,000〜3,000万人と言われている。これは、もちろん生産人口も減少していく、つまりは人手不足になっていくと言われている。それと同時に、それだけの人口が減り、高齢者の割合が増えれば、いわゆる「国内需要」が減る・・・これをどう考えるのか?

ある経済学の本を読んで、今までの疑問がストンと落ちた。
この国内需要が経済発展のキーポイントになっているという考えだった。つまり、日本は世界大戦のあと、高度経済成長という好景気時代があった。そのとき工業製品需要と技術が大幅に発展したと言われているが、そのとき戦後の人口は6,000万人でそこからベビーブームも手伝って、人口はどんどん伸びて、1億人を超えるまで増えた。それと共に国内需要も増えたため「大量生産」「大量消費」が可能だったため、経済成長ができた!という話しがある。
これは、今の中国にも言える事で僕が学生の頃、20年前はおよそ8〜9億人だった人口が今や15億人にもなっているそれだけの国内需要があるわけでだから、今中国のGDPは日本の2.6倍になっている。アメリカも当時3億人から4.5億人まで人口が増えている。

経済の発展には、人口増加つまりは「需要の増加」が欠かせないという事。話しはちょっと変わるけど、需要が変化しなくなったり、これから減るという国はどうなるのか?例えば、過去の超大国だった「イギリス」は1970年代に人口が減少に向かった。そこでは今の日本と同じ現象が起きている。人口減少と国内需要の減少、彼らが取るべき施策は「観光立国」だった。これも最近の日本の施策と全く持って一致する。コロナで壊滅的ダメージを受けているが、インバウンド経済とも言われる理由だ。つまり、今日本は過去のEUと同じ道を歩いているというわけだ。

だから、最近やたらとSDGsとかEUのやり方を真似しろ!とかそういったビジネス本が多いわけだ。これらは、日本と過去のEUが似ている状況から来ている。

さて、ここから本題なのだが、
酪農、つまりは牛乳の需要はどうなるのだろうか?今後減るのか?変わらないのか?をこの記事を読んでいる方は気になっていると思う。あくまで僕の予測という前提で聞いて欲しいが・・・

今年、2020年の北海道の生乳予算は400万トン。2020年9月の半期の段階で200万トンを超えている予測で、順調だが、都府県はここ最近常に前年比98%くらい減り続けている。
さらに来年度の北海道の生乳予算は440万トンとその数量が増え続けている。全体の生乳生産量はここ最近毎年減り続けているが、北海道の生乳予算と実績だけは増え続けている。
これだけをみれば、北海道では「生乳需要」は確保されていると考えても良いと判断できる。ただし、これがいつまで続くのか?はわからない。
クラスター補助事業のおかげでここまで北海道も増産できたとの見方もできる、補助金がなくなればどうなるのか?
もしくは、ここまで経営規模になれば、個人経営規模ではなく民間企業が乗り込んでくるのかもしれない。そうなれば、既存の農協主体という話しではなくなるのかもしれない。それはわからない。

どちらにしろ、酪農経営者として敏感にならなくちゃいけない事はこの「生産需要」が今プラスなのか?マイナスなのか?それとも変わってないのか?を察知する情報と知識だと思う。その情報をもとに今後の投資計画を考えるとまた視野が広がるように思います。

あなたの経営の参考になれば・・・