(株)牛コンサル酪農コンサルタント 代表中野です。

遺伝子編集技術「クリスパーキャス9」を用いて、病気やケガの「痛み」を無くす研究がされている。痛みを感じない体質を持つ人を調べて発見された「遺伝子変異」を利用できるのか?

ネットバブル、ITバブルと呼ばれて20年、次に訪れるバブルは「バイオ技術」と言われている。こういう言い方をすると、一部の反対論者は・・・「意味がない」「実感がない」などど反対するだろうが、それでも強く言いたい!「そんなことはない!」と。これらテクノロジーの恩恵を現場が享受するのは、早くて10年後、もしかしたら30年後かもしれない。
でも、実際に乳牛の改良は進み、乳量は10年前と比べて格段に伸びて、肉牛や和牛に至っては確実に格付け等級が良くなっている、これもA-3からA-4になっているだろう。

これらの変化はごくごくゆっくり進むので、毎日の現場では実感しづらいのである。

しかし、その現実を変えつつある技術が「ゲノム編集技術」クリスパーである。クリスパーによって、今までは偶然でしかなかった「改良」が必然として行われることができるようになった。毎年、何百種類のテストを繰り広げ、そこから選抜するという行為が、いまや数種類にまで限定できるようになったと言っても良い技術である。

そんなバイオ技術だが、欠点がある。それは「倫理」である。
先日のあるニュースで、あるパキスタン人の子供は、暑さや寒さを感じることはできるのだが、「痛み」を感じることができなかった・・そんな子供がいた。
その子は、腕にナイフを刺してみたり、焚き火の上を歩いたり、屋根の上から飛び降りてみろと言われて飛び降りたり、してみせた。
その子は、極きわめて稀な遺伝子を持っていることがわかっている。

そして今、その遺伝子を利用して、痛みを取り除く研究がされている。モルヒネなどの強い依存性を持つ薬物を使用せず、糖尿病やガンなどから痛みを取り除く研究である。

これは一例である。
他にも「鎌上赤血球貧血症」「遺伝性の失明症」などなど、元々持っている病気だからという理由で不可能と言われる治療も可能になっている

一方

「痛みを感じない兵士」の研究もされている。他にもデザイナーズベイビー、中国で発表されたその子はエイズに対する抗体を持つとされていた。などなど、倫理と共存していくのか?倫理を蓋とするのか?難しい問題も存在している。
牛ではどんな研究がされていくのか?