(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
コンテナ・箱が普及したおかけで私たちは地球の裏側からモノを運ぶことができる。北海道から東京に単独でモノを運ぶよりも、海外から同じモノを船で運んだほうが運賃が安い・・・という事実がある。なんでそんなことが可能なのか?
コンテナ。酪農関係でいえば、輸入牧草を買うときにみるくらいだけども・・実際にはいろんなモノを運ぶのに使われている。食品、衣料品、原料などなどその種類はさまざまでコンテナの中に入りさえすれば、なんでも運べる。
元々、コンテナが普及する以前は、60kg麻袋などに入れて人夫が手で出し入れしていた。タラップという、細い板を船と陸をつなぎ、そこを何往復もしながら運んでいた。もちろん、相当の肉体労働で今でいう日雇い労働みたいな形で、屈強な男たちが運んでいた。だから今でも海の男といえば、ポパイの様な腕力自慢を想像する人が多い。さらにはそういった荒くれ者が多いので、必然と日本でいうヤクザのような元締めが多く存在した。港の倉庫と言えば、そんなイメージが強いのもその名残である。
実際にコンテナという箱で運ぶという発想は19世紀から存在していた。さらには、1920年台にはフォークリフトも存在し、港でのコンテナの荷下ろしは機械化が進んでいるが・・・現実的にコンテナが普及し出したのはもっと後のことになる。
コンテナという箱は非常に便利なモノである。コンテナがなければ、現地で取れたモノを、トラックに積み込み、港でおろして、船に積み込み、目的地の港でおろして、またトラックに積み込み、目的地でおろす・・という作業を全て人力でやらなくてはいけなかった。非常に大変な肉体労働であったが、誰にでもできる仕事でもなかったために、賃金も高かった。さらには、現地から目的地もバラバラなために、港で都度都度、積み替えも発生していた。それもまた時間と労働・お金がかかった。ところがコンテナにさえ入れておけば、コンテナごと、トラックに移したり、船に積んだり、とその作業は格段にスムーズになる。
さらには、コンテナ船に大量に積み込めば・・・それこそ運賃はとことん安くなる。世界最大のコンテナ船では、2万以上のコンテナをたった20人ほどで運べてしまうそうだ。続く。