(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

コンテナが普及する前は・・・

最大2万個のコンテナは運ぶ、1個20トンとしても40万トンという数字。もはや想像もつかない量を一度に運べて、目的地ごとにすぐに仕分けも可能ということで、誰もが「便利じゃん!」と思うのだが、普及するまでには相当な時間がかかっている。それはなぜか?

現場の作業員たちの猛烈な反対にあったからである。港での労働組合によって、ストライキが起こり、作業が滞るなんてことは常に起こっていたなんて事例も数多くある。さらには、第二次世界対戦の戦後にあって、世界的な社会主義を心棒する人も多い時代。経営者や会社が不当に搾取しているなんてことに対して、ものすごい反発があった時代でもあったから、このやり方を変えるというのは非常に困難を極めていた。

今ならあり得ないと思うのだが、運ぶコンテナ自体に関税がかけられる・・なんて法律も存在したことがあるし、港湾作業の人夫の仕事が減った分、半永久的に給与を保証するなんてルールも存在したために、コンテナが普及するのには相当な時間がかかっている。

いつの時代でも、今ある仕事が永遠に存在するなんてことはないし、それが奪われるとなればそこに論理性(ロジック)や合理性を無視して、奪われないと必死になって反対する人が存在する。

でも、いくら反対しても、便利と安さには勝てず、少しずつでも徐々に変化していく。それが今の現実でもある。北海道から内地にまで、モノを運ぶ運賃(kg単価)よりも、アメリカから北海道まで運ぶ運賃の方が安くなってしまう。
これによって、海外の工場で生産した方が商品が安くなったり、海外から購入した方が原価が安くなる、という今の時代では当たり前になっていることが可能になっている。