㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

オランダ視察の後に初めて書く経営者のためのブログ。

僕は酪農経営が専門なので、農業は専門外ではあるが、今回「グリーンハウス」を視察させてもらって、世界の最新レベルの農業に触れた結果、改めて、イノベーションの凄さを知った。よく世間では「新しければ良いわけではない」とか「最新のモノが素晴らしいわけではない」という話しをする方は多いが、僕の意見は、両方を見比べた結果、やはり新しい技術は素晴らしいものである・・ということである。そういう反論をする人は、両方やった上で、評価しているわけではない。ただ、今のやり方を変えたくないだけで、自分を正当化するために誤魔化している過ぎないと改めて思った。

ただ、1つだけ、反論するとすれば、最新技術やイノベーションは、今すぐにできるものではない!ということだ。当然のように、今の自分の経営にとって、若しくは、自分の未来の経営にとって、本当に必要な技術や商品なのか、よくよく吟味しなくてはならないし、誰かに言われたから・・という浅はかな理由で選べばそれでは達成できないだろうし。経営者自らが徹底して、調べる、勉強すべきだと思う。まあ、当たり前のことを言っているのだが。

その上で、そうしたイノベーションの未来に近づくために、少しずつ自分の経営を進化させていかなくてはならないのだと思う。それが少しずつであっても、毎年同じことを続けていても、当然同じ結果が出るわけがないわけで、ほとんどが黙って悪化していく。何かを変えることで初めて、維持できるレベルになるわけで。それ以上の変化をしなくては、良くなることなんて決してないと思う。
それ以上の変化を求めるときは、それなりリスクが必ず伴う。それも加味して動かなくてはならない。

オランダの農業経営では、そういったリスクをとった行動の話しが聞こえてきた。彼らは、最初はどうせ小さくしかスタートできないんだから、失敗しても、大したことがない!という考えだそうだ。最初から完璧な計画ではない、失敗しながら修正して、より良く変わっていくそういうスタンス。
さらには、そういった先進的な行動をした人に対してリスペクトする文化がある。多くの著名人も言っているが、この人を貶す文化と行動する人をリスペクトする文化の違いは大きい、と思う。何か行動するだけ損をするという文化の中からは、決してイノベーションは生まれない・・と改めて思う。多くの人が言っている通りだ。

ただ、これからの日本では「変わるチャンス」があると僕は思う。
もうここまで追い込まれている。車もだめ、半導体もだめ、ゲームもダメ、もはや主産業が観光しかない・・と言われ、追い込まれている今だからこそ、リセットするチャンスだと思う。それは、僕らのいる酪農業界でも同じで、あの小国であるオランダが世界で2位、農産物輸出額が2位、国土面積が日本の1/10、かつ、農地単価が10a(反)最低1,000万円、1億円もありうる状態でそれを達成しているのである。
日本は国土が狭いから?という言い訳はもう通用しない。日本は土地が高いから・・という言い訳も通用しない。「何かが」今の自分の経営に足りないのである。その自覚が必要だと思う。