㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

北海道で農協に所属しているなら1年に1度する「営農計画」。これを、事業計画と勘違いしている方が多いと思うので、解説していきます。

結論から先に言います。
「営農計画」とは・・・1年のキャッシュフロー計算書
「事業計画」とは・・・1年後、3年後、5年後、10年後の事業(会社)の計画

ということです。クミカン(組合勘定)を使用するということは、運転資金が乏しいヒトに対しても、ある程度運転資金(キャッシュフロー)の代わりに使えるお金として、農協で用意してくれているお金です。ただし、投資したお金はその年の内に回収できるものにしてください・・というわけです。ここでいう、投資したお金というものは、農作物の種・苗・肥料だったり、牛で言うなら配合飼料や授精代金などなどになります。

営農計画書とは、あくまでキャッシュを維持すために立てる計画であり、一般的な言い方をすると、キャッシュフロー計算書になるわけです。これは、事業計画書とは似て非なるモノです。わかりづらいと思うので、簡単に説明すると、キャッシュフロー計算書は、事業を継続するために必要な計画なわけです。会社が倒産するときというのは、キャッシュが無くなった時ですから、そのキャッシュを上手く回すためのモノというわけです。逆説的な言い方をすると・・・これでは利益が増えていくということはありません。よくて現状維持です。

対して、事業計画書は、将来の利益をどうやって作っていくのか?という計画書です。取らぬ狸の・・・ではなく、中長期的投資、リターンが3年後、5年後になるかもしれないけど、今からやっておかなくては・・という、将来的には利益になって返ってくるというモノになるわけです。

あと数年で辞めるたり引退されたりするのであれば、営農計画で十分でしょう。あと10年20年とやられるのであれば、もちろん事業計画は明確にしておく必要があると思います。