㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

ダンボールの業界にDXを持ち込んだ話し。

ダンボール・・普段たまには使ってはいるけど・・くらいしか印象がありませんが、なんとその市場規模は3兆円もあると言われている。市場規模はそこそこ大きい上に、3つの大企業によってシェアを80%占められている業態でもある。

画像1

そんな大量生産の低コストだけの業界で、さらには差別化を図りづらい商品でどう勝ち抜こうと考えたのか?

段ボールは皆さんが想像する通り、大量に生産することでコスト下げ、安い競争の典型的な業界になっています。だからこそ、どれだけ大ロットで受注できるか?」さらには安く届けられるのか?だけが、商売の焦点でした。しかし、一部では、企業名の印字や商品名の印字、サイズの在庫、色や質感など細かいニーズも存在し、そこを小規模の工場が対応しているというのが現状です。

そこで、ダンボールワンの経営者は、ネットで個別の注文を受けながら対応できるサービス、段ボール発注のプラットフォームを作ることでここに差別化をすることができると考えたわけです。ダンボールを売るなんて・・・石ころを売るようなものなんて言われたし、本人も「お金を出す価値があるのか?」と疑問に思いながらも、サイトを作り、ネットの注文を受注する準備を始めます。

最初の半年は7,000円しか売上がなかったそうです。そこからなんと12年かかって売上を億単位まで増やしてきました。これは印刷業界における「ラクスル」と同じようなモデルだと言えます。まだまだ全体のシェアの1%(300億円)にもいっていない規模ですが・・周辺事業、テープ、他の包装材に関しても伸ばしていきたいと話しています。

ダンボールのような差別化が非常に難しい商品でさえ、工夫の余地がある。それは、環境の変化によって、変わり続けるからである。その変化の中で、経営者が何をするのか?何を考えるのか?そして、その経営者が起こす変化はごくごく微小なモノであるということ。すぐに芽なんか出さないという認識が必要なのである。このダンボールワンの経営者も下積みを12年も耐えている。