㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

農業分野でもどんどん新しいイノベーションが起きている

一般的な化学肥料を利用する農業ではなく、微生物を利用した肥料を提供する会社
「ピボット・バイオ」が近々、IPO(上場)をする予定。
アメリカ、カリフォルニアの企業で売上は数十億円規模になっている。
投資マネーに関しては、調達額 600億円を越え、評価額は2,000億円になっている。

作物自身の植物体が必要としている「窒素」を植物自身に調達させ、自殖させる研究に力を入れている。その助けを微生物にさせるコンセプト。

作物の根圏(根の周り)微生物のDNAを調べて成長に必要な養分を分析し、微生物のDNAを操作して必要な量の窒素を生産できるようにした。
彼らは、土壌の微生物が元来DNAに備わっている「窒素生産能力」を、活性化させることができるのだ。
つまり、マメ科しかできない「窒素固定」を、他の植物でも可能にするという技術なわけ。これによって、化学肥料を一部減らすことができるようになる。

この技術に関しては、ピボット・バイオの経営者たちは、環境問題解決をメインにしている。化学肥料に含まれる窒素が、実際には作物には一部しか吸収されず、残った部分は、亜酸化窒素として、排出される。この亜酸化窒素が、温室効果ガスとしては、かなりマイナスの働きをするためだ。
ピボット・バイオが作る、窒素を作る微生物は、水に流されたり、空気中に余分な窒素が拡散される危険性がない、としている。

ピボット・バイオだけではない、インディゴ・アグなど、微生物を利用した農業がどこまで広がっていくのか。今後、バイオの分野は非常に楽しみである。