㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

7/4 の続き

酪農経営者であるあなたのニーズ(欲しいモノ)が変わっていると同時に、牛のニーズも変わっているという話しを前回したのだが、この変わってしまったニーズに対して、経営者であるあなたはどうするのだろうか?

実際には、ほとんどの経営者は、変わらない・・を選択する。
これは、ドラッカーも同じことを言っている。
変わらないのではなく、変えたくない、である。
これは、今の自分の経営が火の車で赤字が何年も続き、手元のキャッシュが底をついていても、いつ潰れるか分からない状態でも「変えたくない」のである。
変えるのがめんどくさいから。だから、うまくいかないのだが。

先日、これまた違う営業マンにこんなことを聞かれた。
「設計者として、今、飼料変更依頼多くありませんか?」
これに対して、正直なことを言うと、全くない。
飼料コストが下がるように設計してくれ・・というコンサル先はいない
申し訳ないが、コスト削減は常日頃の課題であり、いつも考えなくてはならないこと、状況が悪いからコスト削減をしたいなんて話はない。今下げることができるのなら、なぜ?前からやっていないのか?それこそ経営者の怠慢だと思う。
それが分かっているから、今あえてそういった依頼はない。

さらに、こういった方たちの中には、冒頭伝えた「ニーズの変化」に対して、イノベーションを起こしている。難しい言葉を簡単にすれば、牛の変化に合わせて経営を変えているということ。つまり、新しいことにチャレンジしているということ。
こんな話しもある。
あるコンサル先の方が、20年ぶりくらいにお世話になった偉い先生にお会いしいた。その方は、牛の繁殖に詳しい方だったようで、発情発見方法や牛の見方を色々教えてもらったそうだ。ところが、今はICT(デジタル機器)で全てが把握できる時代。もちろん、牛を直接見れることに越したことはないが、経営者にそんな暇はない。にもかかわらず、発情などは直接人間が見なくてはいけない・・という考えに固執してしまっているようだ。
これこそ、典型的なイノベーションできないパターンの1つである。

今更、デジタルと人間どちらがいいのか?なんて議論するつもりもない。
僕が言いたいのは、新しい技術やテックにチャレンジして、その上で経営者自ら判断すべきだと言いたいのだ。それこそがイノベーションなのである。