㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

松下幸之助は、「好景気良し、不況なお良し」と言っていました。頭では、この言葉の意味を分かっているつもりでした。ところが、実際にその現場に立ち会うまで、本当の意味で理解していませんでした。
2022年は酪農経営にとって大変な年だった・・と皆さん考えているかもしれません。が、2023年、2024年と、今よりもっと厳しい年になるでしょう。誰もが分かるように、今のコスト基準が当たり前になっていくからです。
「不況」が教えてくれているわけです。
今のやり方じゃこの先やっていけないぞ!と。
それに気づけるかどうか、松下幸之助の言っている「不況なおよし」とは、この事を言っているのです。

今までには通用した事がこの先通用しなくなる。これは、どの業界にだって起こっている事象です。それは当たり前に起こっているし、本当は常に起きている事ですが、誰も気づいていないだけです。
携帯電話が気付けば、みんなスマホになっています。ガラケーを持っているヒトはいません。ということは、ガラケーを作っている企業は潰れているということです。
今、乳量が35kgでていれば、凄いと思っているかもしれませんが、この先40kgですら普通になりつつあります。むしろ、その位でなければ成り立たない、そんな時代が来ようとしている。そういうことを、この不況が気づかせてくれているわけです。

今、この不況を「自分のこと」として、受けた時に、(みんな自分のこととして考えるべき)外部に助けを求めてもそれは、何の意味もありません。これは、多くの人が勘違いしているようにしか思えませんが、あくまで、外部の助けはサポートであり、根本的な経営構造を変えるのは、経営者である自分の仕事です。
外部に原因を求めても、それは変えることはありません。
牛乳の値段を決めるのは、それを買う消費者です。
300円、400円する牛乳をこの先買い続けるのか・・・分かりません。
これは、機械の値段が高いから今買うのは我慢する、なんでこんなに機械の値段が上がっているんだ!と我々が思うのと、消費者が思う理屈は一緒です。

すでに、今のやり方はこの先通じません。
今のやり方をこのまま続けても通じません。
それをこの不況が「今のやり方じゃ通じませんよ」と教えてくれています。