「常識」・・我々経営者にとって非常に怖い言葉です。
以前、「常識」が経営の成長を阻害している・・というブログを書きましたが、先日、出張していた現場で色々見る機会があったので、それについて書きたいと思います。

経営者にとって「常識」の何が怖いのか?
大抵、業界の「常識」に支配されてしまうと、「〇〇だからできない」「そんなことは不可能だ」「それをやってもうちでは上手くいかない」という風に自分で勝手に思い込んで何も行動しようとしないことにあります。
自分の経営におけるポテンシャルを自分で下げているんですね。
例えば、「この地域ではこれ以上の増頭は無理だ。」「北海道なら農地が広くて可能だろう」・・・実は、北海道でも増頭分の農地の確保は厳しいわけで、現実は、どこでも課題は一緒だという事が真実です。もちろん、北海道でも糞尿処理は問題で、知恵も金もかかります。

しかし、業界の「常識」に支配されていると、こんな単純なことも分からなくなってしまうのです。なぜなら、そこで「〇〇が羨ましい」で思考が止まってしまうからです。そこで、経営者として考えることをやめてしまうからです。

例えば、よく例えに出てくるのが、「コンビニのアイス」です。アイスは夏食べるものです。だから、冬は、アイスコーナーを小さくするのが業界の常識でした。でも、北海道では、冬は暖房をガンガン焚いて、ポカポカで過ごしているため、冬でも普通にアイスを食べるわけで、あのセブンイレブンは冬でもアイスコーナーを拡充させてヒットしたわけです。これは、「夏のおでん」も一緒です。今、どの家庭、職場でもエアコンがガンガン効いているわけで、寒かったりするわけです・・。

今の酪農現場では、「これだけコストが高いのだから儲からない」という常識が蔓延っています。本当にこの常識は、正しいのでしょうか?むしろ、コストが高くて困っているからこそ、経営者として行動すべきなのではないでしょうか。僕がここで言っている行動は、スピーカーで訴える・・とかではありませんよ。他者に伝えることではなく、自分の経営に何ができるのか?工夫すべき行動のことを言っています。今の個体乳量でいいのだろうか?今の頭数規模でいいのだろうか?という疑問をもって、行動すべきということです。