㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

2023年4月より乳価が10円上がることが決定しました。
これにより、経営計画を変更しなくてはならない・・・と考えた経営者の方へアドバイスするとすれば、「だからあなたはダメなんですね」
なぜ?なのか、を解説していきます。
今後も、こういった外部環境の大きな変化があるかもしれませんので、今回は良い機会ですので、ぜひ、頭を使って欲しいと思っています。

まず、整理しておきましょう。
乳価上昇が発表される前まで、どういう状況だったか・・
→ 生産コストが高いから・・・搾乳が儲からない
→ 搾乳が儲からないから・・・和牛へ一部シフトする
→ 生産コストが高いから・・・コスト削減、肥料減らす、エサ変える
→ 本業ではなく、副業にせいを出し始める(株とか?)
できない、できない、ないないで、どんどん変化していきました。
これら全て、悪い方向へ変化していきました。
(理由は僕には理解できませんが・・)酪農は儲からないという決めつけを行い、正しい変化を嫌い(難しい、大変、辛い)、ダメなダメな方へいったという状態です。

今回のこういった外部環境に対する経営者の正解をいうと
外部環境に影響されず、自分の経営に正しい経営をする。ただこれだけです。
正しい経営とは、当たり前に当たり前のことをやるだけです。酪農経営の根幹を理解して、自分の経営のビジョン(将来目標)を見据えて、それに一歩ずつ近づけていくだけです。
ビジョンがなく、ただ、こっちが儲かるかな?あっちが儲かるかな?というような経営をしているから、結果うまくいかないわけです。
「本業で儲けることができない者が、副業で儲けることはできない」
今回の酪農不況で色々なことがあらわになりました。結局、自分は(経営者は)何をしたいのか、自分の経営ビジョンとは、なんなのか・・経営とは何を目標にすべきなのか、色々なことを考えさせられる、考えるべきだと思います。
関連機関、関連業社、金融機関、などの信用を落とさず、どうやって危機を乗り越えたか、は、経営者にとって大きな知識になったと、思います。

具体例を出さないと、わからないと思いますので言いますと
年末でキャッシュが足りない・・・から、牛を30頭売った人と、来年の酪農のために、牛を売らず、経営した人の違いですかね。これは、一例で、小さいことでいえば、もっともっとあるはずです。その小さな差が、これからどんどん開いていきます。
経営者は不安になると、無闇やたらと「売上」を増やしたくなるモノです。
いきなりステーキの、急激な店舗拡大を簡単に批判する癖に、自分の経営では似たようなことをしてしまう、これがヒトです。
実は6月か7月か、コンサル先で相談されました。
「和牛繁殖を増やしたい(始めたい)」と。僕は、これを否定しました。
あなたは、本業に全ベットした方が良い!と伝えています。外部環境は、決して自分で変えることはできません。一方で、変えることができないからこそ、全ての人に平等であるとも言えるのです。

外部環境に惑わされることなく、自分の経営に集中すべきだと思います。