㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営者あるあるで、「いつかはやらなくちゃいけないんだけど」今、今日もありました「牛舎をいつかやらなくちゃいけないんだけど・・」このいつやるのかを、決めきれない経営者、結構います。
経営において、意思決定は「即断」です。問題なのは、決定することよりも、「どうやったら実現できるか」に時間や労力がかかるわけです。
例えば、今から牛舎をやると決めたところで、実際に完成するまでには最低でも3年かかります。これは構想2年、着工1年ではなく、意思決定してから3年かかるということです。さらには、最近では資材の遅れなどもあり、さらに遅れる可能性もあります。

経営において、意思決定の判断の遅さは致命的ですが、ほとんどの経営者は「即断」できません。なぜなのか・・・
それは、自分の経営に明確な「目標」がないからだと思います。
30年後、自分の経営がどうなっているのか、を想像できている人は1人もいません。今ある大企業でユニクロ、ニトリ、などの経営者は、ただ何となく経営して、大きくなっていたんだ・・と、想像すらできない我々は、そう思ってしまいます。
ところが、彼らの話しを聞くと、実はそうでなかったことが分かります。
店舗が1店舗、2店舗しかなかった頃から、彼らは、100、200、と増やすことを目標としていたから、大きくなれたのです。
「食えればいい」「とりあえず・・今のをキープできれば」
そんな甘い考えでは、生き残れないことは歴史が証明しています。

皆さんにも分かりやすく説明すれば、酪農における損益分岐点がよく搾乳頭数で表現されています。僕がこの世界に入った15年前は、70頭か80頭が損益分岐点になると言われていました、ところが今は、120頭、これから先、この数字はどんどん増えていくでしょう。
これは、自分の力ではどうしようもない、経営していく上での当然の結果です。
ところが、多くの経営者は自分だけの価値観で物事を判断してしまうため、客観的な判断ができません。

さらには、「食えればいい」「今をキープできれば」という経営者に、リスクをとってチャレンジしろ!と言って、この意思決定を早くすることなんて、できません。
目標がある経営とない経営では、この意思決定に格段の差が出ます。これが、経営においてはものすごい差になっていくわけです。
目標がある経営者は悩みません。問題は、どうしたらそれが実現できるか・・これに悩むリソースを取るのです。