㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

高度経済成長があった。1960~1980年代、日本の経済が大きく発展していったという奴だ。これは、団塊の世代が頑張ったからだ・・という説を、みんな信じている。ところが、最近ではその説は、否定されている。
理由は、「人口が増えた」というボーナスがあっただけ・・と言われている。
人口が増えれば、需要がふえ、それに対して、作れば売れる・・それだけのことだった・・という説だ。

これを証明するように、中国が人口を8億人から今14億人に増やし、経済成長をしている。アメリカも、人口を3億から4.5億に増やし、これから経済成長が著しいと言われているインドは、今どんどん人口が増えている。

僕はこれを持って、日本の未来はもっとを人口を増やせ!と言っているのではない。
そういったマクロ(最大)的な話しではなく、今までの「ただ作ればいい(作業重視)」から時代は確実に変わってしまったという、ルールチェンジがすでに起きているということだ。

長時間働くことが素晴らしい時代から、成果・結果が求められる時代へと変わっているのだ。

この流れは、酪農経営にも確実にきていて、特に、酪農経営は、価格が固定されている中で、量(乳量)によって、売上が決まってしまう産業だ。つまり、作るという作業がどうしてもクロースアップされやすい。
1時間で10個なら、2時間で20個、なら10時間やれば、100個というような足し算的な作業をイメージする・・という意識が強い。長い時間働けば、家族は労働力である、もっと安い労働力を・・そういう傾向が強い。
いわゆる作業脳的、発想である。

ところが、もはやそんなレガシーは通じない。

日常品である、飲食や衣類の業界では、良い物は高い。高いけど良い物であれば、売れた時代も、もはや過去のことである。
今は、モノが良いのに安い・・でないと、売れない。
これと同じように、過去、不可能と言われたようなレガシー(常識)を破壊しないと、これから先の経営で生き残れない。
例えを出せば、乳量40キロを超えたら、牛が壊れる→壊れない。繁殖が悪くなる→悪くならない。こういった、今まで当たり前や不可能とされてきた事象にチャレンジして乗り越えないと、その経営は先細りである。
この意味が分かるであろうか?

もうルールが変わったのである。
40年前の酪農家件数は40万件あったそうだ。今それは1.1万件だ。
40年前の生乳生産量は、200万トンだったそうだ。今720万トンだ。
酪農家件数が減ると、生乳生産が減るのだろうか?
常識を疑え。そこに必ず嘘がある。