なぜ、わざわざ苦労して、会社、事業の決算書を作るのか・・
もちろん、納めるべき税金を計算する、それもあります。
が、それだけならわざわざ、BS(貸借対照表、バランスシート)まで作成する意味はありません。
では、経営者が数字を把握するためでしょうか。
それだけにしても、難解すぎます。
決算書を使うとは、金融機関(農協)から融資を引き出すために使うものです。
投資をする「資金」を確保するために必要なのです。

経営者の中で、損益計算書を読める方はそれなりにいます・・が、BSを読めるという方は極端に少ないです。自分の経営の数字を把握していない・・というのは、経営者として致命的です。
酪農経営において、今の原価で、年間生産乳量はどのくらい必要なのか?
では、月平均、どのくらいか・・で、1頭あたり何キロの乳量が必要なのか?を、数字として把握している経営者は、少ないです。
ただ、なんとなく・・漠然と経営している経営者が多いわけです。

もちろん、明日から乳量を増やす・・というのは、無理です。急激に増やすことが、大変だからこそ、事前の「投資」が必要になってくるわけです、が、それも、どのくらい「余力(現金)」があるのか、の把握が重要になってくるわけです。

こういった現実を考えると、やはり経営者には、「決算書を読める」スキルが必ず必要だということが分かります。その中でも、BS、一見難しいですが、BSの全て、細部までみろ!ということではありません。
重要なのは、左上の「現預金」です。
さらに、重要なのは、「未来の」現預金です。
来月、この現預金が減るのか、増えるのか、
再来月、この現預金が減るのか、増えるのか。
では、減る原因である「支払い」がどのくらいあるのか、増える要因である「売上」がどのくらいあるのか、それらを把握すること、これが重要なのです。

ところが、この「現預金を把握する」という仕事は、非常に地味です。これができたからといって、誰も評価してくれません。誰も評価しませんが、経営するにあたって、1番大事な仕事なのです。そして、この現預金は、毎日変化します。この変化も把握しておかなくてはなりません。
非常に地味です。周りの人は「だから、なに?」そういうリアクションでしょう。
何度も言いますが、経営者には必ず必要な仕事です。

この地味な仕事を続ける努力が経営者には、必要だと僕は思います。