㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

そのころの私は、営業、仕入れ、生産、資金繰りに飛び回っていたが、この時、大学時代に株をやっていたのがたいそう役に立った。バランスシートが読めるし、試算表も自分で作れる。技術畑の私に経理がわかるのは、大変な強みであった。

「奇跡の人材育成法」永守重信

上記の内容は、日本電産、ニデックの永守さんの1文である。これと同じことを、あの京セラの稲盛さんも、ユニクロの柳井さんも、名だたる経営者は、みなその最初の小規模零細の時期に、全て自分でやらなくてはならなかったその時に、この「財務・会計」知識が経営に役に立った・・と仰っている。

何度も何度もいうけれども、経営者には、作業などの営業力の他に、必ずこの財務・会計知識が必要である。ところが、日本にある企業・事業者、350万の経営者のうち、何%がこのバランスシートと損益計算書、決算書が読めるのか・・・おそらく10%もいないであろう。
そして、9割の多数派は言うのである。そんな知識がなんの役に立つのか?・・

経営コンサルとして、日々コンサル先と携わってくると、この重要性がわかる。日々、経営していく上で、「投資」と「資金調達」これら重要なファクターに絡んでくるのが、金融機関である。ましてや、「投資」に関して、未来が見えないモノであり、100%成功する保証はどこにもない。そうした中で、金融機関を説得しなくてはならない。
そこで「頑張る」「なんとかする」という精神論をいくらかざしても、相手は納得しない。そこで必要なのは「数字」である。こうこう・・こういう計算で必要な「数字」はこれだけであり、これだけリターンが「数字」がある・・と言い切るためには、必ず 財務・会計の知識が必要である。説得力が違う。
説得に必要なのは、「数字」と「結果」である。でなければ、相手には信用してもらえない。

この「数字」を理解する・・・「数字」で説得する。あなたの会社で、経営者以外で誰がやってくれるだろうか?当然、経営者しかいない。あなたがやるしかないのである。
財務・会計は、苦手な人からすると、本当に嫌になると思う。知らない単語、言葉、何がどうなって、どうなるのか?複雑怪奇であろう。でも、やるしかない。必要だから。それも一回でできるなんてことはない。何度も何度も反復することで、少しずつ理解できるようになるのである。これも、少しずつである。

そして、上記にあるような名だたる経営者たちの体験をみて聞いて、疑似体験することでさらにアップグレートしていくことができるのである。

今日、この話しを聞いて、少しでも「うんうん。わかる。」「自分も経営者として変わってきたのではないか?」など思っている方が、いることを願っている。経営者としての成長も、日々の積み重ね、少しなんだと実感している。