㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

販売価格は、マーケットによって決まる。500円の牛乳なら買うのか?と言われると躊躇うことがあれば、初任牛が80万でも買われた時もあれば、40万でも売れ残ることもある。価格は、お客様が決める・・マーケットによって決まるということです。

酪農経営に限らず、自分が望む単価で販売することは難しいことなのです。
だからこそ、製造原価は最大限、抑えなくてはなりません。
誤解してほしくないのは、安易な発想による原価下げです。業者を叩く、相見積もりをする、こういった安易な発想ではありません。
ここでいう、原価を下げるということは、全ての製造過程を固定概念を外した上で確認の上、あらゆる部門を確認する、その上で不必要な経費を全て取り除くという行動をしなくてはなりません。

たとえば、倉庫の中に不要なものはないでしょうか。いつか使うといって、3年以上放置されている商品、整理されていない倉庫、そこに無駄はないでしょうか。
不注意によるミスや事故、事前に注意してさえいれば防げたミス、それによって発生した損害と機会損失。しなくていいミスや事故によって、年間100万〜200万以上は起こっているでしょう。それらを防ぐために対策はしているでしょうか。
経営者はストレスが多い、疲れた、などの理由による散財。
上げればキリがありませんが、経営者なら思い当たる節は多々あるはずです。

販売価格は、市場が決めるからこそ、最も少ないコストで製造する方法を見つけるべきなのです。これにはもちろん、品質を落とすなどのマイナスを落とさないでという注意書きがあります。
そして、もう1つ。この道は、簡単な道じゃないということです。
では、酪農経営の答えを言いましょう。「個体乳量を最大化し」「搾乳頭数を最大化し」「その上で、コストを抑える」というのが答えです。
コストが下がりました、乳量も下がりました・・・じゃないんです。そんな簡単な方法ではありません。

経営における値決めもそうですが、「楽して儲かる方法はありません」「安易な方法で儲かる方法もありません」
最近の原価アップによる、乳価値上げの突き上げが増えている・・・その気持ちは分かります・・・が、僕はロジックとして理解できません。では、自分の希望する価格で販売することができるのか?自分の理想とする利益が得られるのか?・・というと、価格はマーケットが決めることであり、どんな商売でも自分で決めることができません。
そんな簡単じゃないってことです。他の企業でも産業でも同じ状況です。
そうした中で、我々経営者ができることは何か・・・そこが経営努力になります。

景気が良い時も悪い時も、本来の経営がやるべきこと、求めるべきことは変わりません。景気が良いから=儲かる・・ではありません。経営努力の先にこそ、儲かる力があるのです。