㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

自分の経営が上手くいかないとき、他者の経営を見ていると、さも上手くいっているかのように感じ、羨ましく思ってしまうことがある。
自分はこんなに苦労している・・なのに、なぜ?上手くいかないのか・・

実際には、世の中の赤字比率は8割と言われている中で、上手くいっている経営というのは、ほとんどない。羨ましくなるような経営というのは・・・実際にはないのだ。
では、実際に、上手くいっている経営というのは、どういうものなのか?

「神は細部に宿る」
黒字経営を維持し続ける、キャッシュフローを増やし続ける・・経営というのは、恐ろしいほどの、完璧主義・・であるということだ。
ある仕事が90%できていれば、大抵の経営者は「うん。これで良いだろう」と考える。
間違っていれば、その都度、都度、訂正していけばいいだろう。
ミスを発見したが、今じゃなくても良いだろう・・明日やろう。
こうしたことが多数派の考えです。

例えば、名古屋から大阪にJRで、行かなくてはならない。
先に出発する各駅停車に乗るか、後から出発し途中で追い越す特急に乗るか、多数派は「特急」まで待つでしょう。どうせ、追い越すんだから・・。しかし、万が一途中で何が起こるか?分からないから、少しでも先に行こう!と考えることができるか。

ホテルの部屋のオートロックは、1万回に1回、カギがかかってないことがあるそうです。万が一、オートロックがかからないかもしれない・・・と考える人は、一般的には病的に見えるでしょう。

両者も、万が一・・・起こるかも?という、病的にも思えるほど神経質。何もそこまでしなくても・・・と、考えます。
不安なことがあれば、疲れていても、遅くなっても、確認をする。

仕事とは、90%上手くいけば良いのか?
一般には、多くの仕事は90%であれば、上手くいくケースがほとんどですから、それで上手くいっていると満足する場合が多いです。
ところが、仕事の中には、90%では・・99%でもダメなケースもあります。100%ではなくては、結果がついてこないケースもあるのです。
先日も、ちょうど作業が忙しい時期で、分娩した4産の牛に、カルシウムを注射するのを、忙しいから・・と打たなかった。案の定、低カルになった・・。
たった5分の作業を怠ったために、10万、20万という損害が発生している・・・こんなことは、日常の仕事で腐るほどあるはずです。これが90%でいいやの弊害です。

経営者は、自分の経営に100%を求めなくてはないけません。それぐらい厳しくなくては、生き残れないのです。いつでも、赤字経営の8割に落ちるのです。完璧主義を目指す、100%を目指す、その完璧を毎日追求するのは非常に辛いです。辛いですが、やるしかないのです。